「リョウくーん。ちょっと待たせちゃったかなー」  部屋に入ってきたのは巨大な生き物。牛のような角やら、ライオンのようなタテガミやら、様々な動物をごちゃ混ぜにしたようなそいつは俺の……大事な人、獅子倉修一郎(シシクラ・シュウイチロウ)さん。呪われてこんな姿になっているが、本来は普通の人間だ。俺は元の姿を見たことはないが。  親父の会社に引きこもっている俺のところに週に何度か訪れる。平日の場合は修さんの仕事が終わってからなので、会えるのは夜だ。今日は修さんから連絡があったので、俺も仕事を片付けてから色々と準備をして待っていた。 「別に……大して待ってないぞ。いつもとそんなに変わらないだろ」  そもそも時間を指定して約束しているわけではないし、修さんが来る時間だって日によって前後する。今日がいつもより特別に遅い、ということもない。 「そう? 今日は色々と準備があったからさあ。待たせちゃったと思ったんだけど……この時間じゃあ別に遅くもなかったね」  修さんは時計を見ながら上着を脱いでいく。上半身裸になると、全身を覆うふさふさの獣毛が露わになる。すぐに顔を埋めたくなる衝動を抑え、平静を装う。個人用のPCをスリープ状態にしつつ、ペットボトルに少し残っていた水を飲み干す。 「リョウ君、こっちにおいでー」  修さんに手招きされ、促されるがままにベッドに腰を下ろす。後ろに陣取った修さんに抱きかかえられ、そのまま後ろに倒れるようにしてベッドに転がった。ふさふさの獣毛と肉厚な身体に包まれる感触は心地良くて、このまま眠ってしまいたくなる。しかし同時に、布越しの尻に触れる硬い感触は、俺の気持ちを休ませてくれない。修さんの心臓の音を聞いて気持ちを落ち着かせようとしたが、なかなか興奮は収まらない。 「ねえ、リョウ君」 「ん……何だ?」 「リョウ君は……挿れる方って、やったことあるのかな?」  最初、何を聞かれてるのか分からなかった。挿れる方……って、やっぱりそっちのこと……で、いいんだよな? 「いや……俺はずっとウケだけしか……」 「やっぱりそうかあ。じゃあ……今日は、俺のお尻に挿れてみる?」 「えっ……?」  俺が、修さんの尻に? 「どうして急に……そんなこと?」 「本当は前から思ってたんだけどね。リョウ君には色々経験してみて欲しいなあって。知らないうちから選択肢を狭めるんじゃなくて、色々経験した上で好きなものを選んで欲しいからね」  一応、俺のためを思って考えてくれたこと、なんだよな? でも、俺がタチか…… 「それに、リョウ君はえっちな絵とか漫画とか描いてるみたいだし、こういう経験も創作の糧になるんじゃないかなーって」  ……言われてみれば確かにそうだ。タチの気持ちも少しぐらいは分かっておいた方がいい、よな。よし。 「じゃあ、試しに一回だけ……」 「うん。じゃあ始めようか。ほら脱いで脱いで」  修さんに服を脱がされ、パンツ一枚に。修さんは自分で下も全て脱ぐと、俺にローションのチューブを手渡してから仰向けに寝転がる。自分から脚を抱えて、獣毛に埋もれた尻穴をこちらに向けた。 「やり方は分かるよね? 自分の思う通りにやってみてよ。あ、今日はちゃんと綺麗にしてあるからね」 「あ、ああ……」  自分がやられているときのことを思い出しながら、ローションを手に搾り出す。それを修さんの尻穴に塗りたくってから、指を一本、ゆっくり挿れてみる。俺が思っている以上に使い慣れているのか、ほとんど抵抗なく呑み込まれてしまった。柔らかい感触のそこが、俺の指を優しく締め付ける。指一本ぐらいじゃあ足りないのかと思い、二本に増やす。指を揃えて動してみたり、ばらばらに動かしてみたり。色々試しているうち、修さんが少しは気持ち良さそうに声を漏らす。 「んー……ああ、リョウ君……」  反応を見ながらそれらしい場所を重点的に刺激すると、勃ちっぱなしの修さんのチンポからは白く濁った滴がわずかに漏れてきている。もっと……もっと気持ち良くなってもらいたい。まずはもう少し尻穴を広げようと、指を三本にまで増やす。 「あー、リョウ君、結構上手だなあ……もう、こっちが欲しくなって来ちゃったかも」  修さんの手が俺の股間に伸びてくる。修さんのに比べると随分小さいそれに、布越しに触れてくる。こう言ってるし、俺のなんて問題なく入りそうだからもう、挿れてしまおうか。  先走りの染みができてしまったパンツを脱ぎ捨てて、自分のチンポにローションを塗りたくる。修さんの尻穴にも少しローションを足してから、そこにチンポを触れさせる。修さんは自分から入り口を広げて待ち構えている。 「じゃあ、挿れるからな」 「うん。いいよ。思いっきりやっちゃっていいからね」 「……よし、行くぞっ」  腰を押しつけると、俺のチンポがぬるりと呑み込まれた。そのままゆっくり押し込んでいくと、根本まで難なく入ってしまった。しかし一度入ってしまうと、俺のチンポを締め付けて離そうとしない。しかし肉の感触は柔らかくて、引き抜こうと思えば抜けてしまうが、その柔らかい感触にチンポを扱かれる事になる。 「うあっ、あああ……」  気持ちが良い。このまま抜き差しを少しの間続けるだけで、あっという間に射精してしまいそうだった。タチはこれに耐えて相手を感じさせなければならないのか。少なくとも、今の俺にはなかなか難しいようだ。  時間を掛けてゆっくり動かしていると、少しずつだが刺激に慣れてきて、なんとか普通に抜き差しが出来るようになってきた。自分がやられている時のことを思い出しながら、それらしく動いてみる。 「おー、リョウ君、結構いいんじゃないかなあ。あー、そこ、いいよ。もっと激しくやっちゃって」  必死な俺に対し、修さんはまだまだ全然余裕がありそうだ。しかし一応、気持ち良さそうな反応はしてくれる。多少なりとも反応が良い場所を探り当てて、そこに向かって何度も突き込む。だが、それは俺がするにはまだ早かったようだ。 「ああ、駄目だっ、修さん、俺、出るっ……」 「中に出しちゃっていいからね。ほら、思いっきり」  俺は修さんに抱き締められ、我慢できずに射精してしまった。やっぱり俺にはタチなんて無理だったのかも知れない…… 「はあ、ああ、修さん……俺……」 「うん。結構良かったよ。ほら、俺ちょっと出ちゃった」  促され、身体を離してそこを見る。掘ってる最中は必死だったからそんなところを気にしている余裕はなかったけど、獣毛に覆われた腹は修さん自身の漏らした汁でべっちょりと濡れていた。 「もしかしたらリョウ君、結構タチの素質あるかもね。これから時々練習してみる?」 「いや……気持ち良かったけど、俺、やっぱりウケの方が合ってるみたいだ……」  気持ち良かったのに、どこか物足りない感じがある。やっぱり、俺の身体は修さんの尻じゃなくてチンポを求めているらしい。 「そう? じゃあそれでいいと思うよ。そうやって、ちゃんと両方知った上で選んで欲しかったからね」 「修さんは……俺とはいつも掘るばっかりで、掘られたいと思うことはないのか?」 「たまにはそういうこともなくはないけど、俺は掘る方が好きだからね。リョウ君がそっちを選んでくれて安心したよ」  なんだ。今まで通りで問題ないのか。それなら良かった……じゃあ。 「なあ、修さん。その、攻守交代……で、もう一回……」 「うん。じゃあ今度は俺がリョウ君のお尻に挿れるからね」  その言葉に、出したばっかりの俺のチンポがまた勃ち上がってくる。やっぱり俺はウケの方が合ってるんだな……  行為を終えて、シャワーも浴びてから、コーヒーを淹れて一息。二人並んでベッドに腰掛け、寄り添う。セックスももちろん好きだが、こういう時間も大好きだ。 「なあ。修さんは……今まで通りの俺とのセックスだけで満足できてるのか?」  同じように呪われて獣人のような姿になった修さんのお兄さんは、性欲が強くなって処理に困っていると言っていた。それなら修さんだって性欲は本来のものより強くなっているんだろう。しかし俺とは毎日会うわけじゃないし、どうやら俺とこういう関係になってからは他の男とはしないようにしているようだった。 「出すだけなら自分でできるからね。別に困ってるってことはないよ」 「それって……俺に会わない日はいつも……オナニーしてるってことか?」 「まあ、そうだね。毎日出さないと夢精しちゃうことがあるからさ」  そんなに強かったのか……そりゃあ、お兄さんが性処理のための相手を探そうとするわけだ。 「修さん、俺に配慮なんてしないで、他の人とやったっていいんだからな」 「えー。リョウ君はそれでいいのかな?」 「そりゃあ、独り占めしたい気持ちはあるけど……好きな人を縛るようなことをあんまりしたくない。俺なんかのためにそんなに我慢しなくたって……」  俺の言葉を遮るように、修さんが俺を強く抱き締めた。 「いてえよ、修さん」 「あはは。ごめんね。つい」 「とにかく、修さんは我慢しないで他の男とやったっていいからな。そりゃあ、遊び過ぎて病気もらってこられると困るけど……修さんだってたまにはケツ掘られたいんだろ。その時は遠慮無く他の男とやってくれよ」 「うーん……リョウ君がそこまで言うなら……じゃあ、タチはリョウ君とする時だけにしようか。あ、それ以外やらないってわけじゃないよ。リョウ君とは今後色々なことするからね。リョウ君が思いつかないようなやらしいこともいっぱいしたいよ」  俺が思いつかないようないやらしいことってどんなことだろう……いや、それは今考えることじゃない。 「俺が他の人とするなら、リョウ君も他の人とえっちしないと不公平だよねー」 「え? でも俺は……普通の人とは……」  自分でも良くないとは思ってるんだが、俺は普通の人が相手ではその気になれない。修さんみたいに獣人みたいな姿の人がそんな簡単にいるわけが……あ。 「というわけで、俺の知らないところで兄ちゃんと会ってえっちしてもいいからね。兄ちゃんにもそう伝えておくからさ」  修さんのお兄さんの総蔵(ソウゾウ)さんは、呪われてライオンの獣人のような姿になっている。修さんを交えて三人でセックスをする関係にはなっているが、まだ二人きりで会ったことはない。総蔵さんが相手なら確かに、俺もその気になってしまうけど…… 「修さんは、それでいいのか? 俺が他の男とやっても……」 「うん。俺もリョウ君を独り占めしたい気持ちはあるけど、さっきも言ったように色々経験した上で選んで欲しいなあって。他の人とも仲良くしたり、えっちしたりしてみて、それでもやっぱり俺が一番いいって思ってくれたら嬉しいなあ」  そういうことか。それなら……なんとなく分かる。確かに今の俺は、修さんを選んだと言うよりは他に相手がいなかったから、とも言えてしまう。俺自身、好きで修さんを選んでいる、という実感が欲しくなってきた。 「じゃあ……今度、修さんのいないところで、総蔵さんと……会ってみる。それでいいんだな?」 「うん。とりあえず明日から俺、出張だから……その間に兄ちゃんとえっちとかするといいよ」 「あ、ああ……そう、してみる……」  そうか。修さん関西の方に出張って言ってたっけ。その間に総蔵さんと……修さんのいないところで会うなんて、大丈夫かな…… 「どうも。八重産業の望月です」  なんて言いながら、望月課長が相手に名刺を渡す。俺も一応、名刺の交換をしておく。  今日から課長と一緒に関西出張で、得意先を何軒か回らなければならない。この姿になってからの出張は初めてなので、あちこちに説明するのがちょっと面倒だ。  今日最後にやってきたのは大鐘商事……の関西支社。東京本社はリョウ君に会いに何度も行ってるけど、こっちに来るのは初めてだ。リョウ君の上のお兄さんが支社長なんだったかな……  必要な話はほとんど課長がして、俺はもふもふ弄られる係、という最近よくあるパターンで訪問は終わり。さあ帰ろうか、となったところでそれはやってきた。 「なんだ、もう帰るところか?」  遅れてやってきたのは三十代ぐらいの男。同席している向こうの社員が表情を強張らせ、望月課長はほんの一瞬だけ不快そうな表情を浮かべる。もしかして、この人が? 「ああ、大鐘支社長。そろそろ失礼させていただこうかと思っていたところで」  やっぱりそうらしい。どことなく、弟のリョウ君や父親の大鐘社長と似ている部分があるような無いような……うーん、あんまり似てないのかも。 「そうか。それなら丁度いい。これから一緒に食事でもどうかな。いい店があるんだ」 「はあ……では、ご一緒させていただきます……」  なんだか、課長はすごく嫌そうだなあ。でも大事な取引先の支社長で、しかも社長の長男。誘われたらそう簡単には断れないかあ。あ、でも俺は話してみたかったから丁度いいかも。  運転手付きの車で移動した先はなんだか高そうなステーキハウス。いつもこんなところで食べてるのかなあ。メニューを見て、課長が顔もしかめる。もちろん出せない金額ってわけじゃあないけどさあ……  面識のある二人は、料理を待つ間も、食事中も色々な話をしていた……というよりは、ほとんどは支社長が一方的に話していた。話の内容は多彩だが、最終的に全て自分の自慢話に繋がるという微妙な話術に課長の笑顔はどんどんひきつっていく。俺は高い肉をちびちび切り分けて食べ、水(まさかの有料)をちびちび飲んでいた……が、ついに矛先がこちらに向いた。支社長が話しかけてくる。 「君は……獅子倉修一郎と言うのか」 「はい。向こうでは……弟の涼太君とは仲良くさせてもらっています」 「そうか。君が……弟と……ふうむ」  値踏みするような目で俺を眺め回す支社長。俺がリョウ君と仲良くしてるのがそんなに気に入らないんだろうか。  それから支社長は俺のことを色々と聞いてきたので、当たり障りのない感じで答えていく。リョウ君との関係はどこまで言っちゃって大丈夫なのかなあ。一応関係はぼかしておく。 「ふうむ。君のことは分かった。その君から見て、涼太はどうだ?」 「涼太君は……すごく、良い子ですよ。大好きです」 「君は……あれがいいと思うのか? 二十歳にもなって引きこもって、いつまでも夢みたいな話にばかり執着して……その上、今度は男の恋人ができただって? 我が弟ながら恥ずかしいっ。私は兄として、涼太を正常な大人の男にしなければならないのだ。会社は継がないにしても、正しておかなければ」  どうやら、リョウ君が言っていた「『正しい道』に戻そうとする兄」というのはやはりこの人のことのようだ。こういう人は俺も苦手だけど……このまま放っておくわけにはいかない。俺の大好きなリョウ君が、実のお兄さんによって歪められてしまう。  しかし、どうしようか。この人を何らかの形で叩き伏せてしまうことは簡単だけど、それでは駄目だ。俺は、リョウ君の家族ともちゃんと仲良くしていきたい。  さて、どうしようか……この食事が終わってホテルに戻ったら、今後のことを考えなければ。 「ああ、何度会ってもイライラするっ! 何なんだ、あの男はっ! あの人格者の大鐘社長からどうしてあんなのが生まれるんだ!」  大鐘社長が人格者かどうかともかく、今のところあの支社長……大鐘太輔(オオカネ・タイスケ)さんに問題があるのは同意だ。社長も支社の社員さん達もあの人の扱いに困っているみたいだし。望月課長はあの人に気に入られてるみたいだから大変だなあ。 「今日はお前が一緒で本当に良かった……私一人だったら、ストレス解消のために余計な散財をしてしまっていたかも知れん」  俺の耳をふにふにほじほじと指で弄る課長は、少しずつ気持ちを落ち着かせていく。望月課長は少し怒りっぽい性格だが、動物の耳が好きなので呪われて獣のような怪物のような姿になった俺の耳を弄くると、気持ちが落ち着いてくるらしい。そのおかげで最近性格が穏やかになった課長は、元の真面目さもあって上からも下からも、取引先からも評判が良いようだ。その代わりに耳を弄くられ続ける俺は複雑な気分だけど。俺、耳は結構感じちゃうんだよねー。 「ああ、しかし今日はこれだけでは足りないっ! 獅子倉っ、少し我慢してくれっ!」  そう言って、指だけでは我慢できなくなった課長は俺の耳を口に含み、穴に舌を挿れてくる。くすぐったいような、ぞくぞくする快感に俺はますます変な気分にさせられる。 「んむっ、むう、はあ……やはりお前の耳はいいなっ。デリケートな動物を相手にこんなことをするわけにはいかないが、お前はこれを許してくれるから助かるっ。んん、うむうう……」  狭いベッドの上で後ろから抱きつくような形で俺の耳を責め続ける課長は、何故か興奮してきてしまったのか、股間が硬く膨らんできていた。課長、妻子持ちだしノンケのはずなんだけどなあ……なんて思いつつも、これだけ好き勝手にやられてるんだから俺だってちょっとは役得があったっていいんじゃないかと思い、手を伸ばしてそこに触れた。 「んっ……獅子倉、何を……ああ、そうか。お前は男の方が好きなんだったな……しかしお前、大鐘社長の御子息と恋仲なのだろう。こんなことをしていいのか?」 「ええ、まあ。お互いに他の人としてもいいよってことになりました」 「ふむ。そういう関係もあるのか。男女の関係とは色々と違うのだろうな……む、ちょっと待て。今私の一物を触ったと言うことは、お前は私と身体の関係を持っても構わないということか? 私とお前は親子でもおかしくない年齢差だぞ」  はっきり言っちゃってもいいのかなあ。今までの課長との間の信頼関係が壊れたりとか……は、しないか。課長は怒りっぽいけど心の広い人だから。よし。 「俺、好みの範囲は広いんですよ。可愛い年下も好きなんですけど、頼りになる年上も好きで。課長のことは……実は最初から、どこかで手を出す機会がないかなー、って。あ、もちろん涼太君と出会う前の話ですけど」  課長は年相応のおじさんではあるけど結構凛々しくていい男だし、身体も逞しい。男としても上司としても好ましい人だ。 「お前は私をそんな目で見ていたのか」 「あはは。俺、尊敬する人に欲情しちゃうんで……」 「……喜んだ方がいいのか嫌がった方がいいのか分からないことを言うな」 「あはは……すみません、課長」  課長が妻子持ちじゃなかったらもっと早く手を出してしまっていたかも。まあ、実はすでにこっそり手は出してるんだけど、そんなことここでは言えない。 「まあいい。お前は私にその耳を差し出していればいいのだ」  そう言うと課長は、俺の耳を責めるのを再開する。うーん、今日はまだストレスが溜まってるみたいだなあ。もう少し続きそうだ……ああ、くすぐったいけど気持ちいいよう。そのまましばらく我慢していたけど、なかなか終わらないのでやっぱりそれを提案してみることにした。 「課長……やっぱりこれ、処理しましょうか? すっきりしたらイライラも少しは収まるんじゃないかと。課長はえっちな動画とか見ててくれればいいので」  課長のチンポはずっと勃ったままだ。男に欲情するわけじゃないけど、獣耳はまた別ってことなんだろう。 「……そうだな。お前がそう言うなら、一度ぐらいは任せてみるか。このままでは眠れそうにない」  あれ、了承されちゃった。まさかリョウ君から許可を得て早々にこんな事になるとは思わなかったなあ。  一応ケータイで動画が観られるように準備して課長に手渡してから、脚を投げ出して座る課長のパンツを脱がせる。大きさは……うん。結構ある。年齢を感じさせないこの硬さはなかなかやらしくていい。手で握って、舌をそこに絡ませていく。 「獅子倉……お前は本当に私なんかに……ああ、それは、なかなかっ……」  課長が気持ち良さそうに声を上げ、俺の頭に空いた手を伸ばす。そしてまた、耳を弄くる。そのくすぐったいような快感に興奮させられながら、俺は課長のチンポを味わう。硬いサオを舐め上げ、亀頭に舌を絡ませて刺激すると、先走りの味がしてくる。 「ああ、獅子倉、気持ちいいぞっ……」  課長はついにケータイを置いてしまい、両手で俺の頭を抱えるように掴みながら指はしっかりと耳に突っ込む。俺が歯を立てないように適度に口を開くと、口の中にゆっくりとチンポが押し込まれた。俺は口を犯されることを受け入れつつ、なるべくこちらからも舌を絡めることはやめずに責め続ける。 「ふうっ……そろそろ、出そうだっ。このまま、いいのかっ? ああ、出るっ!」  口の中にどばっとザーメンが吐き出される。どろりとしていて、結構な濃さだ。このまま飲んでしまいそうになったが、それはリョウ君との時だけにしておこうと思い、ティッシュに吐き出した。 「獅子倉……悪かった。少し乱暴にしてしまったな。溜まったイライラと興奮が相まって、つい、な」 「いえいえ。これぐらいは受け止めますから、今後も処理に使って下さい。良かったら口だけじゃなくて、お尻も使って貰っても……」 「そうか……それなら、このまま今度はお前の尻に挿れてみてもいいか? やはりちゃんと穴に突っ込まないとすっきりしなくてな」 「え? ああ、いいですけど……ちょっと準備がいるので、少し待ってて下さい」  まさか使うと思ってなかったけど、持ち歩いていた携帯用洗浄セットを荷物から出してトイレへ。簡単にお尻を綺麗にしてからベッドに戻る。課長は……やらしい動画を見て気分を盛り上げているところだった。 「戻ってきたか。男同士というのは色々準備が必要なのだな……」 「まあ、本来は挿れる用の穴じゃないですからねー」 「それもそうだ。それで、私はどうしたらいい?」 「えーと……俺が自分でちょっと広げるので、そのまま動画でも観ながら待ってて下さい」  常にバッグに入っているアナルセックス用の一式セットの入ったポーチを出して、中からローションを取り出す。それを指に付けて、自分の尻穴に塗りたくりつつそのまま突っ込む。まあ、たまに家でやっている行為だ。ディルドまでは用意してないので、指を増やして広げていく。まあ、そこまでしっかり広げなくても入っちゃうから、準備はこんなものでいいか。 「もう準備はいいのか?」 「あとこれだけ……はい。あとは突っ込んできちゃって大丈夫です。課長、どうぞ」  課長のチンポにコンドームを被せてからローションを塗りたくり、それから俺は四つん這いでお尻を向ける。尻尾は邪魔になりにくいよう横に垂らしておいた。 「よし。ではいくぞっ」  お尻に硬いものが突き立てられ、ゆっくり押し込まれる。奥を軽く掻き回すようにえぐると、ゆっくり引き抜く。今度は地面を掘るように突き入れてみたり、すくい上げるように突き上げてみたり。色々試してみて、結局シンプルに真っ直ぐな抜き差しを中心とした動きへ。それから、課長の手が俺の頭に触れる。角を掴まれ、そこから指を伸ばしてまた耳を弄くられる。それで課長はまた興奮してきたのか、激しい突きで俺を責めてくる。 「獅子倉っ。ああ、なかなか気持ちが良いぞっ」 「くっ、ううう……」  課長は好き勝手に快感をむさぼっているだけなんだろうけど、意外といいところに当たるものだから声を抑えるのがなかなか大変だ。ノンケの課長は俺の喘ぎ声なんて聞きたくないだろうから頑張って我慢してるのに…… 「うあっ! ああああっ……」 「私ばかり気持ち良くなっていては不公平だな」  そんなことを言って、今度は俺のチンポを扱くものだからそこそこの声を上げてしまった。このままではすぐに射精してしまいそうだったので、その手を掴んで止める。 「うう……課長、ベッドが……汚れちゃうので……」 「む、そうだな。ではこうしよう」  一度チンポが引き抜かれ、俺の身体が転がされる。課長は力持ちだなあ……なんて思う余裕もなく、再び責めが再開される。今度は正上位で尻を掘りつつ、俺のチンポを扱く。結局課長の責めの手を止めることは出来ず、俺はそのまま射精させられてしまった。 「あああ、課長、駄目ですっ、あああっ!」  俺の射精が終わると、課長は尻を掘ることに専念した。やや単調な動きでチンポを激しく抜き差しさせると、やがて俺に覆い被さるような体勢で動きを止めた。それからチンポを引き抜くと、着けられていたコンドームにはザーメンがたっぷり溜まっていた。課長はそれを外すと手際よく縛り、ティッシュにくるんでゴミ箱に放り込む。この手慣れた感じ……課長、実は今も結構えっちしてるのかも。結構性欲強そうだし。 「なかなか気持ちが良かった。男の尻は久しぶりだが……悪くない。今後も使って構わないのなら……また二人で出張の時にでも使わせて貰おうかな。次にする時はもっとちゃんと、お前を感じさせる努力をしよう。それまでに少しは男同士の行為を勉強してこよう」  まさか課長がこんなにその気になるとは思わなかったなあ。こんなことでも取り組む姿勢が真面目なところが課長らしい。ところで、ちょっと気になったんだけど…… 「課長、男同士での経験あったんですか?」 「昔、性欲を持て余していた頃に、誘われて少しだけ、な。その時の経験で、気持ちがいいことは分かっていたからな。お前に誘われて、久しぶりに味わいたくなってしまった……お前の身体は拭き取りにくくて困るな。洗ってきた方がいいぞ」  課長はしばらく俺の身体をティッシュで綺麗にしようとしてくれていたが、諦めてシャワーへと送り出した。うん。洗ってこよう。 「涼太、いるのか?」  その声を聞くと、身を固くさせてしまう。俺の一番苦手な人の声だ。どうしてこんな時に……声の主は部屋の中に俺がいることを確認すると、予備の椅子を勝手に出して俺の隣に座った。  大鐘太輔。十歳以上歳の離れた兄。いつも俺の全てを否定してくるので苦手だ。社長である親父が関西支社に異動させてくれたおかげで普段は会わずに済んでいるが、時々こうしてやってくるのだった。今日は……いつもより機嫌が悪そうだ。 「涼太、お前はあんな男と付き合っているのか?」  もしかして、関西の方に出張に行った修さんと、どこかで会ってしまったのだろうか……そうだ。うちの会社と修さんの会社は取引が長く続いているので、向こうで挨拶ぐらいはしに行ったのかも知れない。 「悪い……のかよ。兄貴には、関係ないだろ」 「関係ないということはないだろう。実の兄弟なんだから。弟が正しい道を歩いて、人並みの幸せを得られるようにするのが年長者である俺の役目だ」  正しい道、か。どうせ「自分が正しいと思い込んでる道」のくせに。どうしていつもそこまで干渉したがるんだ、この人は。色々言い返したくても、どうせまともに聞いてくれないし、最終的には強制的に言うことを聞かされるのだ。結局いつも何も言えずにいた。 「いつまでも男とばかり遊んでいるのも良くないぞ。女性と付き合って、ちゃんと結婚して子供を作って、幸せな家庭を築くのが男としての幸せだぞ」  いつの時代の人間なんだ。それに、この人の家庭が幸せそうだなんて思ったことはない。 「だから、あんな男とは早く縁を切れ。あんな軽薄でふざけた男と付き合っていると良くないぞ」  なんでこの人は……大して知らないくせに、俺が仲良くなった相手のことを悪く言うんだろう。いつもそうだ。 「おかしな恰好をしていたが、話によるとあれは、女性に呪いを掛けられたらしいな。あの一見人の良さそうな雰囲気で女性を騙して、酷いことをしたんだろう。お前も弄ばれて捨てられるだけだぞ。それにもしかしたら……金目当てかも知れないしな。早く別れて……」 「……うるさい」  これ以上は、耐えられない。 「……お前、逆らうのか。俺はお前のためを思って言ってるんだぞ」 「俺のためじゃない。自分の理想の弟にしたいだけだろ。結局は自分のためじゃねえか」 「何だとっ! 俺は……」 「黙れ。ろくに知らないくせに修さんのことを悪く言うな。あの人がどれだけ周りの人に好かれてるのか知らないくせに。呪われたのだって相手に酷いことをしたわけじゃない。俺と仲良くしてくれてるのだって……金目当てだって? そんなわけがない。あの人は……」  そう、言いかけたところで扉が開く。入ってきたのは……ビジネススーツを着たライオン。 「客か。俺は出直した方がいいか?」 「いや……すぐに追い返すので、総蔵さんは中で待ってて下さい」  獅子倉総蔵。修さんの兄貴で、同じように呪われてしまった人。俺に会いに来てくれたが、先に親父に挨拶するために少し席を外していたのだった。こんなタイミングで戻ってくるなんて…… 「そうか。では待たせてもらおう」  総蔵さんは遠慮無く入ってきて、ベッドに腰を下ろす。持ってきたものをベッドサイドに並べてからこちらを見る。俺と兄貴を見比べて……何かに気付いたようだ。 「……兄弟か?」 「はい。兄貴です。一応」 「やはりそうか。どっちの兄だ? ろくでなしの方か。ごくつぶしの方か」 「ごくつぶしの方です」  これ、兄貴の目の前で言っても良かったのかな……社内における兄貴二人のそれぞれのあだ名だった。ちなみに発案者は親父だ。 「では上の太輔の方だな。よろしく。私は獅子倉総蔵と言う者だ。弟がお前の弟と仲良くさせてもらっている」  と、総蔵さんが握手を求めて手を差し出す。だが、ごくつぶしなどと言われて握手するわけもなかった。 「お前は……あの修一郎という男の兄か。ふざけた男の兄は、やはりふざけた男と言うことだな。お前は何が目的で弟に近付いている? お前も金か?」  総蔵さんにまでそれを言うのか。あり得ないことを言われて、総蔵さんも困っている。 「……お前の兄は何を言っているんだ?」 「勝手なこと言ってるだけなので、相手しなくていいですよ。休んでいて下さい」 「む、そうか。では放っておこう。お前も早く話を終わらせて、隣に来てくれよ」  そう言うと、総蔵さんは持ってきたもの……高そうなスパークリングワインの栓を抜くとグラスに注いだ。それを一気に飲み干す。 「今ひとつだな。やはり、自分で選んだものの方が良かったか。涼太、お前も飲んでみろ」  もう一つのグラスにワインが注がれ、俺に差し出される。別に体質的に飲めないということもないので仕方なく受け取り、口を付ける。うーん…… 「これが美味しいのかそうでないのかよく分からないな……俺、やっぱり酒じゃない方が……」 「そうだったか。まあ、いただきものだからな。口に合わなくても仕方がない。後で誰かに飲ませよう」  そう言うと、総蔵さんはボトルに抜いたものとは別の栓をした。ワインには詳しくないが、飲み残しを保存する用の栓なんだろう。 「ああ、お前はどうだ? 口に合うのなら持って帰ってくれて構わないぞ。飲み残しで良ければだが」 「えっ、俺がか?」  ボトルを差し出されて戸惑う兄貴。さっきからずっと見てたもんなー。兄貴、ワインはわりと飲むんだっけか。 「そうだ。一応、食品を扱う仕事をしている以上は、口に合わなくてもなるべく捨てるようなことはしたくないのでな」 「そう、か。では、貰っておこう、かな。勿体ないものなっ」  あれだけ酷いこと言っておいて、よく平気で貰えるなあ。それだけ高いワインってことなんだろうか。ボトルのオシャレ具合からしても安いものではなさそうだが。 「ところで、そちらはどういう仕事をしているんだ? 食品を扱う仕事と言うが、こんなものを気軽に貰うような仕事なのか?」 「これはもっと個人的な付き合いで貰ったものだが、まあ、物を貰うことは多いな。仕事は……ああ、名刺を渡した方が早いか」  総蔵さんが内ポケットから名刺入れを出し、一枚抜き出して兄貴に渡す。それを受け取った兄貴は……顔色を変えた。 「獅子倉食品……社長?」 「まあ、一応そういうことになってる。今はまだお飾りみたいなもので、勉強中の身だがな」 「そんな……じゃあ、どうして弟はあんな、小さい会社の平社員なんだ?」 「あれは丁稚奉公というか、武者修行というか、そんなようなものだ。本業は獅子倉グループの子会社の社長だな。一応そっちの仕事もしているはずだぞ」  毎日とはいかないが一応顔を出している、とは言ってたな。本当は忙しい人なんだよな。俺のところでいちゃいちゃごろごろしてる余裕はそんなにないだろうが、いつも時間を作って会いに来てくれているのだ。 「じゃああいつは、もしかして……俺より収入があるのか……」 「まあ、そう言うことになるな。お前、肩書きのわりには大して貰ってないんだろう? 社長から色々聞いてるぞ。それに比べてお前の弟の涼太は地道な頑張りの結果、引き籠もりのまま早くも出世して給料も鰻登りだ。このままではあっという間に抜かれるぞ」  そんなことになってたのか。俺、給料明細とかわざわざ見てないから、自分がそんなに貰ってるなんて知らなかった。親父のお情けで会社に置いてくれて、小遣い稼ぎ程度の仕事をさせてもらってるんだとばかり…… 「そんな……」  兄貴ががっくりと肩を落とす。もう修さんを悪く言う気もなくなったのか、背を向けて部屋を出て行った。ワインを置いていきそうだったので、出る直前にしっかりその手に握らせた。 「……出ていったな。さあ、こっちに来い。シュウのいない間は俺がたっぷり可愛がってやるぞ」 「……はい」  俺は気持ちを切り替えて、総蔵さんの隣に移動した。  俺は何をやっているんだろう。それなりの大きさの会社を経営する親父の長男として生まれて、その会社に入って。支店長にまで出世したつもりでいたが、実際には支店に追いやられただけ。引き籠もりで世間知らずの弟だと思っていた涼太は、俺が知らないうちに親父にしっかり認められていた。  俺があんなに酷いことを言ったあの獅子倉修一郎とかいう見た目のおかしな男は、実はこの会社よりもずっと大きなグループ企業を経営する一族の次男だった。俺の前ではあんなに頼りなさそうで、軽そうな男だったのに……  ポケットの中で携帯電話が震える。取り出して確認すると、あの修一郎からのメールだった。そうだ。あの時に連絡先は交換したんだったな。開いてメールの内容を確認する。  どうということのない挨拶と、社交辞令のような誘い。自分の地元の方に来たら、今度はオススメの店を紹介してくれるという。そしてその時は、二人でゆっくり話がしたいという。その先の文章を読んで、俺はあの男との器の違いをはっきりと自覚させられた。  俺は……間違っていたようだ。どうやら弟の人を見る目は正しかったらしい。  俺は、もう一度あの男に会わなければならなかった。獅子倉修一郎に、考えを正されなければならない。このままでは、駄目だ。  兄貴が出て行ってから、五分と経たないうちに俺は服を脱がされ、正上位で尻を掘られていた。総蔵さんのビジネススーツ姿がとても格好良くて、我慢できずに俺がチンポにしゃぶりついてしまったせいだ。ちなみに修さんはスーツが似合わないけど、似合わないところが修さんらしくていいのだ。 「ふううっ、やはり、君の尻はたまらないなっ。俺の一物に合うように作られているかのようだっ」  いつも修さんのデカいチンポに慣らされている俺の尻にとって、同じぐらいの巨根である総蔵さんのチンポも丁度いい大きさだった。足りない部分を綺麗に埋めてくれるような充足感があっていい。 「どうだ、君も気持ちが良いか? シュウのものではなく、俺のもので満足してくれているか?」 「はい……総蔵さんのチンポ、ああ、気持ちいいっ、です……」  大きさは同じぐらいでも、亀頭の張り具合やらサオの反り具合など、形が違うので感じ方が変わってくる。修さんのは奥をえぐられるのが特に気持ちいいが、総蔵さんのはすくい上げるように抜き差しされるのが特にいい。百戦錬磨のプレイボーイである総蔵さんは、どうされると感じるのかを俺の反応から読み取って、的確に責めてくる。しばらく抜き差しをされるうちに、俺のチンポが汁を漏らし始める。 「感じているなっ。嬉しいぞ、涼太っ」  総蔵さんのライオン顔が近付いてきて……噛みつくようにキスをされる。舌をねじ込まれ、絡ませ合う。一瞬、キスは修さんとだけの方が良かっただろうか、なんて思ったりもしたが、総蔵さんならいいかと思い、抵抗はしなかった。 「はあ、どうだ。俺のものになるか?」  急に真剣な顔でそんなことを言われて、反射的に頷いてしまいそうになったが、なんとか耐える。俺が一番好きなのはやっぱり修さんだからな。 「冗談だ。俺だけのものになんてしない。君はシュウを大事にしてやってくれ。あいつがここまで本気になる相手はお前が初めてなんだ」  え? 修さんが、俺のことを、そんなに? 「ああ、でも俺との身体の関係は長く続けてくれると助かる。時々この尻を味わわせてくれっ」 「うあっ、ああ、あがあああっ!」  そこから、激しい責めが始まった。大きな動きで尻の中を掻き回されると、刺激が強すぎてもう気持ちいいのかどうかよく分からなくなってしまった。しばらく続けられると、俺の身体は自分の漏らした汁でドロドロに汚れていた。 「……なかなか噴かないな」  そんな声が聞こえたような気がする。俺が潮噴きしやすいから、自分も噴かせてみたいとか言ってたな……しかし、チンポの形も責め方もちょっと違うので、俺の感じ方も違う。どうやら総蔵さんに掘られても俺は潮は噴きにくいのかも知れない。でも、ザーメンはたっぷり漏れてるし、修さんのチンポに負けないぐらい気持ちがいい。 「君が潮を噴くまで頑張りたいが……どうやら限界だっ。このまま君の中に出すぞっ」 「はい、総蔵さん、ああ、ああああっ!」 「ふううっ、うおおおっ……」  最後に特に強く突き込まれ、尻の中のチンポがどくどくと脈動する。射精を終えると総蔵さんは覆い被さってきて、俺の身体を抱き締めた。獣毛に覆われた分厚い肉の感触がたまらなく心地良かった。 「はあ、ああ、君の尻は最高だ……このまま、続けてもう一発、いいか?」 「はい、総蔵さん……」  明日は多分修さんが帰ってくるけど……修さんとのセックスは別腹だから多分大丈夫だ。今日は総蔵さんとのセックスを思い切り楽しむことにしよう……  太輔さんは送ったメールを読んでくれただろうか。早まったことをしたかも知れない。向こうに帰ってからでも遅くはなかったのだ。内容は大したことは書いていない。簡単な挨拶とお誘いだ。  あの人が自分の弟であるリョウ君のことを悪く言うのが耐えられなかった。兄弟は仲良くして欲しかった。だから、そのお願いをするための簡単な文章。  弟の涼太君のことを悪く言わないで欲しいです。今度会ったとき、お兄さんの知らない涼太君の良いところをいっぱい教えるので、好きになってあげて下さい。  そう、素直に書いた。このメールを見て、あの人がどう思うかはまだ分からない。面倒な奴だとか、お節介な奴だとか思ってるだろうなあ。でも、書かずにはいられなかった。  リョウ君は今どうしてるかなあ。一昨日会ったばかりだけど、会いたいなあ……明日、帰ったらすぐに顔を出しちゃおうかな。