レオニスが目を覚ましたとき、身動きが取れず、視界も塞がれていた。 「んー……」  肌に触れるくすぐったいような感触と心地良い温かさに包まれながら、レオニスは昨夜の出来事を思い返す。  数年前、一時的にここ『林檎の森』に滞在し、森のために戦っていた犬型の獣戦士……シリウス。彼は滞在中、レオニスの家で食事を摂り、夜はレオニスと一緒のベッドで眠った。  そして今。シリウスは当時と同じようにレオニスの家で夕食を摂り、夜はレオニスのベッドへ。数年前はまだ自覚はなかったが、今のレオニスはシリウスに性的な魅力を感じてしまうので、一緒のベッドで眠ることはためらいがあった。だが、その魅力に抗うことは出来ず、抱き枕のようにシリウスに抱えられて眠ったのだった。  改めてそれを自覚すると、レオニスは興奮が抑えられなかった。獣毛越しの分厚い筋肉の感触や、大人の男の匂いに身体が反応してしまう。股間の盛り上がりをシリウスに悟られたくなくて離れようとしたが、屈強な獣戦士の力にはまるで敵わず逃れることが出来ない。もがいているうち、シリウスが目覚めてしまう。 「んん……もう朝かー……」  シリウスはレオニスを抱きかかえたまま転がり、自分の身体の上に乗せた形に。拘束が解けたレオニスはとりあえず身体を離そうと身体を起こすが、にやりと笑みを浮かべるシリウスに腕を掴まれて観念する。 「お前のも元気になってるな」 「うう……」  部屋着のズボン越しに股間の盛り上がりを指で軽く弾かれ、レオニスは恥ずかしがって俯く。しかし、尻に触れるシリウスの朝勃ちの感触はレオニスをより興奮させる。 「どうする? 寝起きの一発、やっとくか?」 「えっ……」  シリウスの誘いにレオニスは戸惑う。以前シリウスが滞在していたとき、レオニスはまだ子供だった。もちろんシリウスとはそこまでの関係に至っていない。なので、二人にとってはこれが初めての行為になる。今のレオニスはもちろんシリウスと身体を重ねたい気持ちが大いにあるが、初めてセックスが朝立ちの処理、というのは少し抵抗があった。 「冗談だって。今日はこれから大事な戦いがあるからな。終わるまでは我慢するさ」  そうだ。昨日、シリウスは(一方的に)約束していた。現在この森でヒーローとして黄金の林檎を守っているライオン型の獣戦士、レグルスをライバル視しているのか、勝負を挑んでいた。  『獣王の庭』の獣戦士達は戦ってその力と技を示すのが日常だ。それは基本的に獣王の庭の中でのことだが、その外で出会えば戦いになることもあるようだ。 「お前は……あいつのことが好きなのか? モエルタテガミ……ああ、こっちじゃあレグルスだったか。俺よりあいつの方が……」  レオニスはその問いに、簡単には答える事が出来なかった。レグルスとは出会ってからまだ数日で、過ごした時間はシリウスとの方が長い。シリウスに対する恋慕の気持ちはあるが、レグルスに対するそれはとても大きかった。だからといって、「レグルスの方が好き」とは単純に言い切れず…… 「……悪かった。答えにくいよな、こんなこと。でもよ……俺のことも好きだろ?」 「……うん。シリウスのことも大好き」 「そうかっ。嬉しいぜっ」  シリウスはその恐い顔に笑顔を浮かべ、レオニスを抱き締めた。 「……後で、俺ともセックスしてくれるよな? あいつのチンポよりも気持ち良くしてやれるぜ」 「うん……でも……」 「でも、何だ?」 「レグルスとはまだそこまでしてないよ。手と口でしてあげたことはあるけど……」 「そうなのか? まさかこっちが使えないってわけじゃあないよな?」  尻を撫でられ、レオニスは身体をぴくんと震わせる。 「うん。経験はあるけど、まだレグルスのを受け入れる自信がなくて……今は段階的に少しずつ大きいのに挑戦してるところだよ」 「あー、そういうことか。あいつのは俺のよりデカい、とかあいつも言ってやがったしな。ダイチヲカケル……じゃなくて、こっちじゃあアルデバランか」  それを聞いてレオニスは、昨日シリウスとアルデバランがセックスしていたときの様子を思い出す。シリウスのチンポは、アルデバランのものより大きい。そして、レグルスのものより少し小さい。それはつまり、今のレオニスが求めているサイズだった。 「ねえ、シリウス……僕、シリウスと……したくなっちゃったよ。レグルスとの戦いが終わったら、今日の夜でも明日でも……」 「おお、それじゃあ今日の夜になっ。あいつのチンポ挿れる前の練習台に使われるってのはちょーっと気に食わねえが、まあいいや。後になってから、俺のチンポの方が良かった、って思うぐらいに気持ち良くしてやるからな!」 「うんっ! じゃあシリウス、レグルスとの戦い……頑張ってね」 「おう。ちゃんと見ていてくれよ。でも、どっちかだけを応援するのはナシだぞ。ちゃんと対等な条件で戦って、決着つけるんだ」 「うん……」  レオニスはこれまで何人かの獣戦士と知り合っているが、獣戦士同士の本当の戦いを見たことはない。レグルスとシリウス、レオニスが大好きな二人の戦い。それがどんな結果になるのか。そしてどんな影響をもたらすのか。レオニスは不安で一杯だった。 「大丈夫だ。獣戦士同士の戦いは殺し合いじゃない。相手に負けを認めさせるってことが、一番の勝利なんだ。負けた方は相手の強さを認めて讃える。勝った方はその証としてサポーターを一つ譲り受ける。それでスッキリして終わるのが一番いいんだよ」 「レグルスとは前にも何度も戦ってるの?」 「ああ。最初の頃は……俺が勝ってた。だからあいつのサポーターが一つ、俺の手元にある。その後も何度か戦ったが、それからは引き分けが続いてた。だがある時、俺が一度だけ負けちまった。油断してたんだろうな。俺は強かったし、評価点も高かった。それに対して、あいつは特別に優れた部分もない、普通の戦士だった……と思ってたんだがな。あいつは俺との戦いを重ねるうちに、俺を倒す方法を見つけてきやがったんだ」  レグルスが自分のことを同じような言い方で卑下していたのをレオニスは思い出す。その時に話していた、とても強かった戦士というのは、もしかしてシリウスのことだったのかも知れない、とも思った。 「でも俺だって負けたままではいられないからな。その後も何度かあいつと戦ったが、それからはずっと引き分けだった。このままでは駄目だと思って、俺は庭の外でも修行するようになったんだ。それからだな。ここに来て、お前と出会ったのは」 「じゃあ、僕達が会えたのはレグルスのおかげなんだね」 「そうだ。あいつのことは気にいらねえが、あいつのおかげで俺はもっと強くなったし、お前とも出会えた。感謝しなくちゃならねえんだろうな。だが……それはもう一度、決着を付けてからだ。ちゃんと、見届けてくれよ」 「……うん」  レオニスは頭をぐしゃぐしゃに撫でられながら頷いた。 「逃げずに来たな。『モエルタテガミ』」 「もちろん。誇りある獣戦士は、正面から勝負を挑まれれば、相手がどんなに強かろうと逃げることはしない。お前もそうだろう?」  黒いコートを羽織っている犬型の獣戦士と、赤いマントを羽織ったライオン型の獣戦士が向かい合っている。レオニスはその二人を、少し離れたところから見ていた。 「俺の場合は……逃げる必要なんてないだけさ」 「そうだな。お前は強い。俺がお前を越えるために強くなったつもりでも、お前はいつもその上を行っていた。一度だけ勝てたのが不思議なぐらいだ」 「……あー、やっぱり、お前と話してると、調子が狂うぜ……とっとと始めるか。レオニス、預かっててくれよ」 「俺のも頼む」 「え、ああ、うん……」  レオニスは二人に近付き、コートとマントを受け取ってからその場を離れる。レオニスの祖父、アクワイリが張った結界の外に出ると、もう解除するまでは中には入れない。シリウスとレグルス、二人だけの世界だ。  戦いが始まる直前に、遠くから何かが高速で走ってくるのが見えた。それはレオニスの隣で急停止した。 「ふひいっ、間に合ったっす!」 「うむっ。アルデバラン、お前は戦士としては使えないが、乗り物としては有用なことが分かったっ。今後は時々使わせてもらうっ!」  レグルスとシリウス、どちらのことも兄貴分として慕っている牛型の獣戦士、アルデバラン。彼が龍人のトゥバーンを背負って連れてきたようだ。レオニスはアルデバランがそもそもトゥバーンと契約していたことを思い出す。 「少年っ! 良い肉と良い肉のぶつかり合いはまだ始まっていないなっ!?」 「これから始まるところだよ」 「よしっ。では今だけは休戦だっ! 共に二人の戦いをじっくり観戦させてもらおうではないかっ!」 「うん。大人しく見ていようね。はい、お茶とサンドイッチもあるから」  そんなやりとりを気にもとめず、結界内で少し距離を取って二人が向き合っている。まだどちらも攻めてはいない。  今日のレグルスは左手に短めの剣、右手に丸い盾を持ち、橙色のビキニ型サポーターを身につけている。対するシリウスは、両手にそれぞれ短剣を持ち、橙色のサポーター……カップ状のものが股間を覆っていて、そこから尻に向かって太いワイヤーのような物が伸びているだけの、変わった形のものを身につけている。 「少年っ。あのもふもふ犬……シリウスたんのあのおぱんつ? のようなものは何なのだっ。あんな不安定そうなもので……しかも逞しいお尻がほぼ丸出しではないかっ」 「あれはああいうものなんだよ。つい目がいっちゃうけど我慢してよ」 「うむ……なるべく見ないようにせねば」  そこからさらに少しの時間が過ぎたところで、シリウスが動いた。いきなり一気に間合いを詰めて、右腕を振るう。その斬撃をレグルスは左手の剣で受け流し、続く左手の斬撃は盾で受け止める。シリウスはそのまま続けて蹴りを放ち、盾を踏み台にするように跳び上がると距離を取って着地する。  そこをレグルスが責める。左手の盾をシリウス目がけて投げて飛ばす。シリウスは身を躱すが、盾はワイヤーでレグルスの手元に繋がっていて、それを器用に操ると盾はもう一度シリウスを襲いながら右手に戻ってくる。それも予測して避けたシリウスは、今度は二本の短剣を組み合わせると回転させて投げ飛ばす。レグルスはそれを、器用に刃のないところを蹴り飛ばして叩き落とした。そこにシリウスが駆け寄り、地面に落ちる前に短剣を回収して再び斬りかかる。 「見たところ、二人はわりと似たタイプの戦い方をするのだなっ」 「今のところはね。でも、シリウスには特別な力があるから……」 「ほう……」  二人の戦いを見ながら、レオニスとトゥバーンは小声で話をする。その隣でアルデバランは不安そうな、落ち着かない様子で戦いに見入っていた。レオニスは用意してきたお茶を勧めるが、聞こえていないようだった。  レグルスとシリウスはそれぞれ武器や蹴りによる攻撃を仕掛けるが、どちらも決定打には至らない。先に責め手を変えたのはシリウスだった。右手の短剣を持ち替え、指を二本揃えて相手に向けて突きだし、光弾を放つ。レグルスはすぐに反応して避ける。そのまま走り出して、続けて何発も放たれる光弾の狙いを外させる。そこに、シリウスが横に薙ぎ払うように光線を放つと、レグルスは屈んで避ける。 「ほほうっ。あれがシリウスたんの特殊能力だなっ。私の見たところ、あれは純粋な魔力ではなく太陽のエネルギーに近い物だっ」  トゥバーンはフルーツサンドをつまみながら熱く語る。見ただけでそこまで分かるトゥバーンを、レオニスは少し尊敬した。 「うん。シリウスは太陽のエネルギーを吸収してああやって使えるんだって」 「ふむっ。太陽のエネルギーを蓄える特殊体質と、それを扱う特殊能力の組み合わせだなっ。それに加えてあの高水準の万能型。確かに強力な戦士だっ」  トゥバーンは獣王の庭の戦士について、レオニスの知らないこともよく知っているようだ。 「特殊体質っていうのもあるんだ?」 「うむ。獣戦士の特別な能力は、厳密には特殊能力、特殊体質、特殊感覚と分類されているようだ。シリウスたんのように複数の組み合わせ、と言う場合も多いようだな。話によると、更に特殊権限というものも……おっ、動きがあるようだぞっ。見逃せない瞬間が来る予感がするっ!」  話をしている間に、二人の戦いに変化が訪れる。二人とも責める手を一旦止めて武器を収めると、身につけていたサポーターを脱いだ。そしてそれぞれ腰に着けたポーチから出した別のサポーターを身につける。レグルスは黒いビキニ型、シリウスは……赤い、細長い布。それを器用に巻き付けてきゅっと締める。褌だった。 「むっ、そのサポーターは……」 「そうだ。お前から奪ったヤツだぞ。これは……俺が使ってこそ価値のあるサポーターだ。こんな風になっ!」  シリウスは両手で何かを握るように構える。すると、その中に光り輝く剣が現れた。長さはシリウスの身長ほどもあり、太さは腰幅ほどはある巨大な剣だ。 「ふむっ。太陽のエネルギーを剣の形に固定しているようだっ。あの大きさだが、感じる重さは無いも同然だろう。重量によるパワーは期待できないだろうが、あのエネルギーの圧縮具合なら切れ味は充分だろう」  と、トゥバーンが分析する。シリウスはその大剣を軽々と振り回し、レグルスを追い詰めていく。今手にしている剣や盾では受けきれないと判断したのか、レグルスは攻撃を受け止めることはせず、ただ避けるだけだ。 「どうしたっ! まだまだこんなものじゃあねえだろっ! いつものお前らしく、どんな手でも使ってこい!」 「そうだな。そうさせてもらうっ!」  レグルスが左手を掲げると、その目の前に大きな壁が出現した。左腕に着けられた腕輪の力を使って手元に転送したのは、どうやらレグルスの全身が隠れるほど巨大な盾のようだった。それはシリウスの大剣を受け止めてもびくともしない。 「へっ。それならこっちの剣も防げると考えたんだろうがな。こっちも正面から斬るだけじゃないんだぜ!」  シリウスは大剣を地面に突き立て、それを踏み台にして跳び上がり、空中で短剣を組み合わせたものを投げる。レグルスもそれを避け、盾を踏み台にして跳ぶ。空中でレグルスが右腕を振りかぶる。迎撃しようとシリウスが放った光弾は空中で身を捻って器用に避け、右腕のものを放つ。それはシリウスの身体に絡みつき、自由を奪った。  シリウスは頭から落下することは避けらたものの、レグルスの放った鎖が絡みついて身動きが取れない。レグルスは右手の盾を構えながらそこに近付いていく。 「ぐっ……てめえっ、こんなことでっ……俺の責め手を、封じたつもりかよ?」  レグルスの背後で、地面に突き立っていた大剣が爆発する。爆風で吹き飛ばされたレグルスをシリウスが一発殴りつけるが、レグルスもすぐに体勢を立て直して後退する。 「どうだ。太陽エネルギー込みの拳はなかなか効くだろ。武器がなくたって俺は充分に戦えるんだぜ」 「そうらしいな。なかなか痛かった。だが、この程度で俺は倒れないぞ」 「じゃあ、仕切り直しだ」  シリウスは光り輝く剣……今度は腰まで程度の長さのものを両手に一本ずつ生み出す。それに対し、レグルスは白いエネルギー結晶体を口に入れてから、手元に長い槍を転送する。そしてまた、正面からぶつかり合っていく。 「やはりどちらも強い戦士だなっ。正面から戦って単純に強いのはやはりシリウスたんのようだが、レグルスたんは様々なタイプの強い相手に対応していく技術とセンスがあると見たっ。なかなか見応えのある戦いだぞっ」  フルーツサンドを食べ尽くしたトゥバーンが、野菜サンドにも手を伸ばす。すっかり二人の戦いに見入り、興奮している。その隣でアルデバランはリンゴジュースの入ったコップを握り、今にも壊してしまいそうな様子でじっと戦いを見つめている。  二人の戦いは決着が付かないまま続く。それぞれ何度も武器を変えて攻め、相手の攻撃を防いでいくが、決定打になりそうな打撃はどちらも与えられていない。だが…… 「どうやら、俺はそろそろ限界のようだ。エネルギーのストックがない」 「そうかよ。俺はまだまだイけるぜ。太陽が出てるうちは、いくらでもな」 「……そのようだな。では次の攻撃で決める。それでお前を倒せなければ、負けを認めよう」 「よし。来いっ!」  レグルスは両手にそれぞれ反りのある短刀を転送し、シリウスは右手に剣、左手に盾を生み出す。レグルスは一瞬で間合いを詰め、シリウスの目の前で高く跳んで背後に回る。そのまま空中で斬りつけるが、シリウスが即座に反応して二本の短刀をそれぞれ剣と盾で受け止める。シリウスの武器はそれで砕け散ってしまったが、すぐにそのまま蹴りつける。着地前に蹴り飛ばされたレグルスはしばらく地面を転がってから立ち上がると……構えを解いた。 「ふう……どうやら、今回は俺の負けのようだ。やはりお前は強いな」 「お前も強くなってたが、今回は俺の方がもっと強くなってたってことだ。あー、もうしばらくはお前とはいいや。また戦いたいんだったら、次はお前が俺よりも強くなってから挑んでこい」 「ああ。どれだけかかるかは分からないが……俺がもっと強くなったら、また腕試しをさせてもらおう」  二人が握手をする。これで今回の戦いは終了らしい。レオニスとしては二人とも大きな怪我などもなく終了して良かった。アルデバランも安心したのか、やっとリンゴジュースを飲み始めた。トゥバーンは…… 「うむっ。良い素晴らしい戦いだったっ! マイスイートハニーが負けてしまったのは残念だが、シリウスたんもとても良いっ!」  満足そうに熱く語るトゥバーンに、シリウスが近付く。トゥバーンの顎をつまんで軽く持ち上げ、にいっと笑みを浮かべて言う。 「シリウス様、な」 「むはあっ。シリウス様っ! ああ、たまらんっ!」 「気が向いたらお前の相手もしてやる。あっちの相手もな」  そんなやりとりをしているところに、武器を回収したレグルスが近付く。 「さて、勝ったお前には俺のサポーターを譲らなければな。ああ、それともこの、お前から奪ったこのサポーターを返す方がいいか?」 「いや、俺は一度奪われたサポーターは取り返さない主義だ。別のを貰うぞ。他のはどこに置いてある?」 「ああ、こっちだ」  レグルスはシリウスを連れて自分の荷物置き場の小屋へ移動する。レオニス達もそのまま後に続いて、二人のやりとりを最後まで見ることにした。  レグルスは樹の上の小屋に武器をしまい、代わりに大量のサポーターを出してくる。レオニスがシートを広げると、その上に布の塊をどさりと置いた。 「うーん、数は多いが特別これっていうものはないな。お前自身のサポーターがあればそれが良かったんだが、全部奪われたか交換しちまったかなんだろ?」 「ああ。最近まで使っていた俺のサポーターも先日これと交換してしまった。友情の証だから譲りたくはないが、これが良ければ……」  レグルスはそう言って、サポーターを脱いで掲げる。レオニス達は分かりやすく股間に視線を誘導されてしまう。 「他の奴のサポーター貰ってもなあ。ん、これは何だ? 獣戦士のサポーターじゃないだろ」 「ああ、それはアクワイリ博士が実験的に作ったサポーターだ。相手のパンツやサポーターを脱がせて手元に転送するための特殊能力の情報が定着させてある」 「ふーん。まあ、これでいいや。獣王の庭での戦いじゃないからな。ここで作ったサポーターを貰っていってやる。よし、一発試してみるか」  シリウスは締めていた褌を解き、たった今譲り受けたジョックストラップに脚を通す。レグルスに簡単に使い方を説明されると……その手元に黒い布が出現した。同時に、レオニスは下半身に違和感を覚えた。それはレオニスの穿いているはずのボクサー型のパンツだった。続けて白くて薄い布。細長くて紐が付いている。前垂れのある褌だろう。トゥバーンの部下が見つけていた物に似ている。 「ふはあっ! それはもしかして、私の部下の、あのちょっと羨ましい力っ! ああ、私の褌が、シリウス様の手元にっ!」  やはり、トゥバーンのもののようだ。穿いている褌を奪われたことに何故か興奮している。 「俺でも問題なく使えるらしいな。というわけでこのパンツは、お前らの観戦料として貰っておくぜ。今日はノーパンで過ごしとけっ! レオ、こっそり穿いてないか後で確認するからな!」  シリウスは恐い顔にいたずらっ子のような笑顔を浮かべて立ち去っていった。 「自分のはいらないっすかね……」  観戦料を取られなかったアルデバランは少し落ち込んでいる。 「お前の下着は獣戦士のサポーターだろう。同じように奪っていくわけにはいくまい。彼は誇りある獣戦士だからな」 「あ、そういえばそうっすね」 「それと、もしかしたら俺のために観戦料を取る相手を一人残しておいてくれたのかも知れない。そんなものを取ろうと思ったこともなかったが」 「じゃあ、自分が払うっす。でも何にも持ってないっすから……何か、自分に出来ることでもあれば」 「そうか。それならエネルギーの結晶を補充するのを手伝ってくれ。先程の戦いでかなり使ってしまったんだ」  レグルスはピルケースを開けて中が空なのを見せる。更に、小瓶に入れていた分も全て使ってしまったらしい。二人の戦いはそれほどのものだったのだ。 「それって……あの、ザーメンが飴玉みたいになるやつっすよね?」 「ああ。これをお前の一物に巻き付けて、なるべく多めに射精してもらいたい」  レグルスはポーチから、小さいバンド状のものを出す。それを着けてから射精すると、絶頂エネルギーを結晶化できるという、アクワイリの作ったアイテムだった。 「うっす。兄貴も手伝ってくれるっすか? 自分、兄貴にケツ掘ってもらうとたっぷり出るっす」 「ああ。俺が欲しい結晶体だからな。もちろん手伝わせてもらおう」  アルデバランは身につけているものを全て脱ぐと、自分のチンポにバンドを巻き付ける。レオニス達が見ていることも気にせず、レグルスがアルデバランの尻穴を弄り始める。ポーチから出したローションを使い、指でほぐしていくと、立ち木に手を突いて尻を突きだしたアルデバランは顔を歪めて時々身体を震わせる。 「うむむむ……よしっ。今日は私も、レグルスたんのために結晶体の量産を手伝ってやろうっ! アルデバランのを感じさせれば良いのだろうっ!?」  トゥバーンが地面に落ちていたレグルスのサポーターを広い、天に掲げる。そして呪文を唱えると、サポーターに中身が生まれた。レグルスと同じ体格のライオン型獣戦士……を影のように真っ黒にしたもの。トゥバーンが得意とする、下着などからインスタント兵士を作成する魔術だ。 「さあっ、本物のレグルスたんと二人がかりで、アルデバランを興奮させ、感じさせまくるのだっ!」  インスタント兵がアルデバランに近付く。サポーターを自分でずり下ろして、既に勃ち上がっている真っ黒いチンポをアルデバランの目の前に突きつける。アルデバランは一瞬戸惑ったが、すぐにそれにしゃぶりついた。そのすぐ後に、本物のレグルスが突き出したアルデバランの尻にチンポを挿入していく。それを見ていたレオニスは、この後の事を想定して、アルデバランの股間の下にランチバスケットを置いた。トゥバーンが結構食べてくれて空になったので丁度良かった。 「んんっ、んごおおっ……」  アルデバランはまともな声も出せないまま、早くも股間から結晶体をぽろぽろとこぼしていく。レグルスがチンポの抜き差しを激しくしていくと、結晶体の噴出も激しくなる。しばらくすると、絶頂が近付いてきてしまったらしいレグルスが、手を伸ばしてアルデバランのチンポを扱き始める。 「んぐううっ、ううう、うぐおおおっ!」  アルデバランが塞がれている口から大きなうめき声を漏らし、身体を大きく震わせるとバスケットにざらざらと大量の結晶体をこぼしていった。このバスケットだけでは足りなくなるかも知れない、などとレオニスは心配になった。 「ああ、駄目だっ。もう少し続けたかったが……俺も出てしまいそうだっ! おおおっ!」  レグルスがチンポを強く、奥まで突き入れ、動きを止める。するとアルデバランが自分からレグルスのチンポを抜いて、口に入っていた黒いチンポも吐き出すと後ろを向き、射精したばかりのレグルスのチンポにしゃぶりついた。そして尻にはインスタント兵の黒いチンポが呑み込まれる。  インスタント兵の動きは、レグルスの責め方によく似ているが、容赦がない。最初から激しい抜き差しで、音を立ててアルデバランの尻穴をえぐっていく。その結果、バスケットの中には溢れんばかりの結晶体が溜まった。インスタント兵が絶頂に達して消えてしまうまでの短時間で、アルデバランは何度も射精させられてしまったようだ。 「ああ、アルデバラン、済まないっ。もう一発、尻に挿れて感じさせてやりたかったが……限界だっ! 出るっ!」  レグルスが身を震わせて、アルデバランの口の中で射精する。アルデバランはレグルスのサオを扱いて最後の一滴までを搾り出して舐め尽くす。満足そうな顔でレグルスの顔を見てから、自分の出したものの量を見て恥ずかしそうにうつむく。 「こっ、これでっ……足りるっ、すか?」 「ああ。これだけあれば、しばらく補充しなくても済みそうだ。ありがたい。ああ、トゥバーンも、協力してくれて助かった。こんなに短時間でこれだけの量補充できるとは思わなかった」 「うむっ。スイートハニーのためならこれぐらいはいくらでもっ! 次に補充するときがあれば、また是非私に協力させてくれっ!」 「また、自分がたっぷり搾られるっすか……?」  アルデバランはげんなりした様子だが、想像してまた興奮してしまったのか、チンポがまた元気を取り戻してきていた。  トゥバーン、アルデバランらと別れ、身体を綺麗に洗ってから二人で軽い食事を済ませる。昼過ぎからは軽いパトロールに行くことになった。  今日は大満足だったトゥバーンが大人しいようで、林檎の森は平穏だった。レグルスはあちらこちらで住人の仕事を少し手伝ったりしていた。住人もレグルスに段々慣れてきたようで、あちこちから誘いがかかるようになった。それは仕事の手伝いの誘いだったり、食事の誘いだったり。レオニスの伯父のアーカスなどはもう隠さずにセックスの誘いなどしていた。 「おや、あれはトゥバーン……ではないようだな。色が違う」  パトロールの途中で、レグルスが指し示したのはトゥバーン……と同じ種と思われる龍人。体表を多う鱗の色が鈍く光る銀色なので、白いトゥバーンとは別人だ。以前トゥバーンの弟や部下がやってきたことがあるので、今回も同じようなものだろうと思い、二人でその龍人を追いかける。  しかし途中で見失ってしまったので、周囲を探す。龍人の姿は見つからなかったが、別の人影を見つけたのでレオニスは話を聞いてみようと近付いた。そこにいたのはひげもじゃで恰幅の良い中年。リンゴ農家のノードスだった。ここはノードスがリンゴを運び込む選果場だった。 「ノードスおじさん、この辺りに誰か、トゥバーンの仲間、が……」  そう声を掛けている途中で、レオニスはそれに気付いた。もう質問する意味もなくなってしまった。トゥバーンの仲間と思われる銀色の龍人もそこにいたのだ。  建物の隅で小さい椅子に腰掛けたノードスが、その股間に顔を埋める銀色の龍人の頭を撫でていた。ノードスは男に興味はないはずだったが、今はこうしてチンポをしゃぶらせている。 「レオニスか。捜しているのはこの男か?」 「んむっ、んん、むふううっ……」  龍人は鼻息を荒くしてノードスのチンポをしゃぶっている。あまりに夢中なので、レオニスが来たことにも気付いていないのか。 「うん、そうみたい……それ、誰なの?」 「ギアンサルだ。トゥバーンの兄だ。同じ兄弟でも、こちらは黄金の林檎にそこまで執着してないようだな」  やはりトゥバーンの身内だったらしい。改めてその姿を観察すると、鱗の色以外は顔立ちなどトゥバーンによく似ている。体格はトゥバーンより肉付きが良いが、筋骨隆々だった弟のラスタバンよりは脂肪が多いようだ。 「ああ、ギアンサル、そろそろ最初の一発が出るぞ。おおっ……」  ノードスがギアンサルの頭を軽く押さえつけ、顔を歪めて身体を震わせる。ラスタバンはごくりと喉を鳴らすと、チンポを一度吐き出して、うっとりとした表情でサオを舐めて綺麗にする。最後にもう一度先端にキスをしてから、始めてレオニスの存在に気付く。 「むっ。お前は……ふむ。そうか。お前がレオニスだな。この屈強な中年男性はやらんぞっ! 私のものだっ!」 「だ、そうだ。こいつはどうしても儂の性処理をしたいと言うのでな。別にこいつの所有物になったつもりはないが……今はこいつだけで間に合っている」 「へえ……」  そこに、周囲を捜していたレグルスが合流する。今聞いたことをレオニスが説明してやる。 「そうだったのか。ギアンサル、お前は黄金の林檎は欲しくないのか?」 「欲しくないわけではないが、弟ほどに執着はしていない。それに、ここには私の好物……屈強な中高年男性が多すぎるっ。その性処理をして回るだけで手一杯だっ。というわけで私は次の屈強な中年男性の元へ行くっ。ではまたっ!」  ギアンサルは何らかの魔術を使って飛龍を呼び寄せると、それに乗って去っていった。レオニス達も移動しようかと相談しているところで、ノードスが引き留めた。 「今日、先程のギアンサルとは別の龍人がいたぞ。もちろんトゥバーンとも別だ」 「ふむ。ではまた別の、トゥバーンの身内か。別の部下だろうか?」 「どうだろうな。ちらりと見ただけだったが、ギアンサルやトゥバーンに比べると……翼が随分大きかった。アルタイルと変わらない程度には大きかったぞ」  それを聞いて、レオニスはトゥバーンが話していたことを思い出す。トゥバーン達は翼を捨てた種だという。鍛えていれば小さい翼でも飛ぶことはできるが、それでもラスタバンのように、翼は小さいままだ。それに比べると鷲型の獣戦士、アルタイルの翼は桁違いに大きいものだ。先祖返りのような突然変異でなければ、トゥバーン達とは別の種かも知れないとレオニスは思った。 「ねえ、レグルス。ちょっと気になるから、探してみようよ」 「分かった。では行こう。ノードス、貴重な情報をありがとう。また誰かに襲われたときや、人手が必要な時は言ってくれ」 「ああ。またな」  それから日没近くまで、翼の大きい龍人の姿を探したが、ノードスが目撃した場所に行っても、他の場所を色々回っても見つけることは出来なかった。他の住人に聞いても目撃者はいなかったので、今日は諦めることにした。 「おっ。レオ、戻ってきたか。待ってたんだぜ」  レオニスが自宅に戻ると、待ち構えていたシリウスがレオニスを担いで寝室へと運ぶ。 「もうちょっと我慢するつもりだったんだがな。あいつとの戦いが終わって気持ちが少しすっきりしたら、お前とヤりたくて堪らなくなっちまった。いいよな?」 「うん、いいんだけど……先に身体洗ってきてもいい? 色々準備もあるし……」 「俺はお前が汚れたままでもいいんだけどな。まあ、お前が嫌なら仕方ねえ。でも……これだけはちゃんと確認しておかないとな」  レオニスの身体が下ろされ、いきなりズボンを脱がされると、半勃ちのチンポが露わになった。 「よし。ちゃんとパンツ穿かないまま過ごしたな? 良い子だ」  シリウスにチンポをぺろりと一舐めされ、シリウスは快感と興奮ですぐにでもその先が欲しくなってしまった。しかしその先のためにも準備は必要だ。 「お前が嫌じゃなければ、今度はもう少しやらしいことさせてやるからな。俺好みのドスケベにしてやる。じゃあ、身体洗ってこい。寝室で待ってるからな」 「うんっ」  ズボンを穿き直して、身体を洗いに向かう。シャワーを浴びてから、尻の中も軽く綺麗にしておく。身体を拭いてから、バスタオルを巻いただけの恰好で寝室へ。  ドアを開けると、寝室の中には誰もいなかった……ように見えたが、いきなり後ろから抱き締められた。少し脅かすつもりだったのかも知れないが、レオニスにはそれがシリウスだとすぐに分かってしまった。 「シリウスの……もう、大きくなってるね。硬いのが当たってる……」 「どうだ。これはお前が求めてた大きさか?」 「うん……多分。丁度良いみたい……」  今のレオニスが求めているのは、アルデバランものより大きく、レグルスのものより小さいもの。実際に触れて確かめ、記憶の中にある二人のチンポと比べると、シリウスのチンポはまさに今求めているものだと思われるが、念には念を入れて、レオニスはシリウスの方を向いてしゃがみ込み、それを先端から口に含んで大きさを確かめる。 「俺が仕込まなくても、もう充分にドスケベみたいだな。好きだぜ、そういうのも」  シリウスはレオニスに一旦口を離させてベッドへ移動する。ベッドの上で、レオニスはしばらくの間シリウスのチンポを夢中で味わった。亀頭が張り出していて口に含むだけで顎が痛くなりそうなシリウスのチンポを、精一杯舌で刺激していく。 「なかなか気持ちいいぞ。でも、あんまり上手じゃねえな。まあ、俺がゆっくり仕込んでやるさ。今日はそっちよりも……」  口からチンポが引き離され、レオニスの身体は後ろに転がされる。両脚を上に持ち上げた状態で、剥き出しになった尻穴にシリウスが顔を埋める。入り口辺りをシリウスの舌が這い回る。その微妙な刺激が、レオニスに快感と物足りなさを与えた。 「うう、シリウス……」  少しずつ、舌による責めが激しくなっていく。最初は穴の外だったが、すぐに先端が侵入してきて、やがてそこそこの深さまで入り込んでくる。その刺激はレオニスに更なる刺激を求めさせる。 「シリウス……もっと……」 「んっ、もっと、んむうっ、何だ?」 「もっと、奥まで……舌だけじゃもう……」 「よしっ」  シリウスはアクワイリから貰ったと思われるローションのボトルから中身を手に垂らし、ぬるぬるになった指を尻穴に挿入する。レオニスはシリウスとここまでのことをするのは初めてだったが、シリウスの指はレオニスの性感帯を的確に捉える。レオニスは指だけで声を上げさせられ、いつの間にかチンポからも汁が漏れていた。 「うああっ……シリウス、そこ、気持ちいいっ……」 「そうかっ。じゃあもっと、気持ち良くしてやるぞっ」  シリウスが挿入する指を増やしていく。ゆっくり、確実に尻穴が広げられていき、ある程度ほぐれたところでシリウスは指を引き抜いてしまった。そして遂に、自分のチンポにローションをまぶすとそれをレオニスの尻穴に突き立てた。 「お前のケツに俺のチンポが入っていくぞっ。きつかったら言ってくれよ」  じっくりほぐされたおかげか、先日それなりに大きいアルデバランのもので広げられたおかげか。レオニスの尻はシリウスのチンポをすんなりと根元まで呑み込んだ。最初は少しだけきつかったが、少しずつ動かされていくうちにその大きさ、存在感に慣れていく。圧迫感も気にならなくなり、尻の奥をえぐられる快感が強くなってくる。 「ああ、シリウス、あああっ、それ、気持ちいいっ……」 「そうかっ。もっと感じていいからなっ! 俺のチンポの虜になっちまえ!」  シリウスが少しずつ激しい抜き差しでレオニスの尻穴を掘っていく。レオニスは快感に声を上げ、チンポからは白濁した汁をどろどろと溢れさせる。レオニスはそれからしばらく激しく掘られていたが、ある時急にシリウスの腰の動きが止まった。 「うああっ……あー、やっちまった。もう少し我慢するつもりだったんだがな……」  どうやら夢中で掘りすぎて射精してしまったらしい。少し物足りないが、これで終わりかとレオニスは思いかけたが、尻の中のチンポは硬さを失う気配はなく、シリウスはそれを引き抜こうともしていない。 「まあいいや。このままもう一発いくぞ」  シリウスは快感に顔を歪めながら尻を掘るのを再開する。今度は尻を掘るだけではなく、レオニスのチンポも扱く。同時に責められるとレオニスはとても弱く、あっという間に射精にいたる。 「ああっ、それ、ああ、出ちゃう、あああっ!」  声を上げて、レオニスはシリウスの手の中でザーメンを噴き上げる。最後の一滴まで搾りきると満足したのか、レオニスのチンポからは手を離して、尻を掘るのに専念する。だが、二回目も長続きはしなかった。 「ああ、駄目だっ。お前のケツが悪いんだからなっ! あー、また出るっ!」  シリウスは身体を大きく仰け反らせると、レオニスの尻の中で射精した。射精が止まると、今度はチンポをずるりと引き抜いた。ぽっかりと口を開けているレオニスの尻穴とザーメンまみれのチンポ、そしてシリウス自身のチンポをタオルで軽く拭うと、レオニスに顔を近付けてきて、口の中に舌をねじ込むキス。しばらく舌を絡め合ってから離れる。そして…… 「じゃあ、今度は一緒に身体洗ってくるか。その後……もう一回いいか? 今度はもう少しゆっくりやるからな」 「……うん」  レオニスは、今日はシリウスのやりたいようにさせることに決めた。