「うう、こんなところで……大丈夫ですか?」 「大丈夫大丈夫。心配ないよ」  いつになっても落ち着かない高級そうな車の中。隣に座って誘ってくるのは日向光彦(ヒムカイ・ミツヒコ)さん。俺の大切な人だ。同級生の友人の父親だったが、お互い惹かれ合って恋人関係になってしまった。  四十代でも性欲が衰える気配のない光彦さんは、俺と一緒にいるときは会社だろうと移動中だろうと求めてくることがある。俺もそういうのに興奮してしまい、結局要求に答えてしまうので今もこうして、運転手付きの車の中、仕切られた後部座席で目の前に勃ち上がったチンポを見せつけられている。  結局、我慢できずにチンポにしゃぶりつく。サオの先端から根本まで全体を舐めてから、タマにも舌を伸ばす。口の中で転がすように味わってから改めてサオを口に含む。 「ああ、気持ちいいよ……虎次郎(コジロウ)君はいつも俺のチンポを美味しそうにしゃぶってくれるからね。いやらしくて、すごく興奮するよ」  頭をくしゃくしゃと撫でられるのが心地良い。光彦さんにもっと気持ち良くなってもらいたくて、亀頭に舌を絡めつつ、頭を激しく上下させたり、強めに吸い上げたりして刺激する。同時に手でチンポを握って上下に扱いたりもする。 「本当はもっとゆっくりやりたいけど……そんなに時間もないからね。このまま虎次郎君の口の中に出しちゃうけどいいかな?」  そう言われて、俺は返事の代わりに自分から光彦さんの腰にしがみつき、チンポに吸い付く。それを受けて、光彦さんも自分から腰を動かしたりして射精に近付いていく。 「じゃあ、そろそろ出ちゃうよ。はああ、虎次郎君、あああっ!」  頭が軽く押さえつけられ、口の中にザーメンの味が広がる。昨日もしたばかりなのに量の多いそれを、少しの間舌の上で転がし味わってから飲み下す。やっぱり、好きな人のザーメンは良い。  最後の一滴までしつこく吸い出してから顔を上げると、光彦さんに口付けられた。まだザーメン臭いであろう俺の口の中に舌を入れ、しっかりと絡めてくるキスだった。 「はあ。じゃあ……虎次郎君も気持ち良くしてあげようかな。それとも……」 「俺は、今はやめておきます。お尻に欲しくなっちゃうので」 「ふふ。じゃあまた後でゆっくりとね。じゃあ、行ってくるから」 「はい。行ってらっしゃい、光彦さん」  身支度を調えて、光彦さんが車を降りる。サニーマテリアル社の社長である光彦さんは何かと忙しいのであった。さて、俺も自分の職場の方に行こうかなー、でも今日は他のメンバーが来ない日だから、俺も来なくていいって昨日博士が言ってたよなー、なんて考えてたら、再び車のドアが開いた。 「虎次郎君、送って行くよ。自宅がいいかな。研究所の方がいいかな」  聞いてきたのは運転手の道源悠紀(ドウゲン・ユウキ)さん。三十代ぐらいだと思う。しっかりと鍛えられた身体を黒いスーツが包んでいる。掛けていたサングラスを外して笑顔を浮かべても、どことなくカタギじゃなさそうな感じが拭えない。見た目はやや怖いけど、気さくでいい人なのはもう知ってる。 「えーと、どうしようかな……」 「あれ、今日は予定は何にもないのかな? じゃあ……たまには俺とデートしてくれる?」 「えっ、デート、ですか? 俺と?」 「うん。今日は俺、しばらくすることないんだよね。暇だったら時間つぶしに付き合ってくれると嬉しいなあ」  うーん、どうしよう。予定はないと言えばない。それなら、いつも世話になってる悠紀さんに少しぐらい付き合っても良さそうだ。 「じゃあ、少しだけ……」  というわけで助手席に移動し、悠紀さんと共にデート……じゃなくて時間つぶしに。 「ありがとう。じゃあとりあえず、喫茶店でコーヒーでも飲もうか。もちろんおごるよ」  というわけで喫茶店へ。コインパーキングに車を止めると、サングラスを外して見覚えのある店に入っていく。 「おう、いらっしゃい」  頭にバンダナを巻いた、悠紀さんが可愛く見えるほどの恐い顔をした体格の良い男が、顔を歪めて出迎えてくれる。格闘技・プロレス関係を中心にアスリート系の客が集まるここ、アロマッスルの店主だ。何度か来店しているのでもう驚かない。すごい顔だけどこれは笑顔のつもりらしい。とりあえず軽く挨拶をしてテーブル席に腰を下ろす。 「虎次郎君、好きなもの頼んでいいよ。ケーキとか食べる? 普通のケーキもあるけど、プロテインケーキもわりと美味しいよ」 「今はそんなにお腹が空いてないので……コーヒーだけで」 「そう? じゃあオウガーブレンド二つと、プロテインケーキのCをお願いしまーす」  悠紀さんが注文すると、店主が返事をしてコーヒーを準備していく。元格闘家だという店主のぶっとい腕の動きを目で追っていると、悠紀さんが話しかけてきた。 「格好良いよね、甲兵(コウヘイ)さん」  甲兵……ああ、店主は格闘家時代、そんなリングネームだったってちらっとだけ聞いたような。ちょっと怖いけど格好良いとは思う。プロレスラーもいいけどこういう格闘家もいいよね。 「そう、ですね」 「俺も結構鍛えてるつもりなんだけどなあ。俺の身体、どう思う?」  悠紀さんが腕を曲げて力こぶを誇示する。甲兵さんとかよりは確かに細いけど、充分に魅力的な太さの筋肉だ。俺の身の回りはなんだか肉付きの良い人が多いせいで目立たないけど……充分に魅力的だ。 「悠紀さんの身体も格好良いですよ。素敵だと思います」 「そう? じゃあ……たまには俺のチンポもしゃぶってくれるかなー」 「はい、よろこ……ええっ? それは、ええと……どういう、ことですか?」  反射的に了承しそうになり、慌てて聞き返す。 「虎次郎君、よく後部座席で社長といちゃいちゃしてるでしょ。その声聞いたりしながら、俺も虎次郎君とやらしいことしたいなあ、っていつも思ってたんだよね」  うう……やっぱり、何してるかなんてばれてるよなあ……でも、いつも光彦さんが大丈夫だって言うから……あ、でも一度も「ばれないから大丈夫」とは言ってないような…… 「社長にお願いしたら、虎次郎君が了承したらやらしいことしてもいいって言ってたからさあ。ねえ、俺のチンポ、どうかな?」  悠紀さんは椅子を近付けて、俺の手を握ると自分の股間に導いた。ああ、もう硬くなってる…… 「はいよ、オウガーブレンド二つと低脂肪タイプのプロテインケーキ。お前ら、そう言う話するのはいいが、こんな時間に店の中でおっ始めやがったら、服ひん剥いて店先に吊すからな」 「あはは。すみませーん。そこまではしないでーす」  どこから聞かれてたのか、頼んだものを持ってきてくれた甲兵さんが悠紀さんに睨みを利かせる。俺だったら色々漏らしてしまいそうな迫力だが、慣れているのか悠紀さんは全然平気そうだった。  甲兵さんがカウンターの向こうに戻ってから、悠紀さんはコーヒーを一口すする。それを見てから、俺もコーヒーを口にする。やっぱりこういうちゃんとした店のコーヒーは香りが良いし、味も美味しいなあ。たぶん。 「もし俺のチンポしゃぶってくれるなら、とっておきの情報を教えるよ。虎次郎君、前にちらっとだけ、ビーストなんとかっていうケモノ頭の人がどうとかって話してたよね。実はとある場所にそんなような人がいるんだけど……」  ビーストライブ。獣人のような姿をした改造人間。それは俺達ブレンジャーの敵だ。もし悠紀さんが何か知ってるのなら……俺がチンポをしゃぶるぐらいで情報を得られるのなら、断る理由はない。 「……分かりました。じゃあ、コーヒーを飲み終わったら、どこか別の場所で……」  そう言うと、悠紀さんは嬉しそうに微笑んだ。甲兵さんよりはちゃんと笑顔っぽい。個人的にはどっちの笑顔も好きだけども。  この時間は人気がない公園の、トイレの個室の中。悠紀さんのズボンのファスナーを下ろし、下着代わりに穿いているらしい競泳パンツをずり下ろしてチンポを引っ張り出す。半勃ちのそれに触れると、手の中でむくむくと膨れあがる。完全に勃ち上がると、それなりの大きさがあった。まずは全体を舐めて味わっていく。清潔にしているようで、あまり臭いはしない。  先端から口に含んで呑み込んでいくと、根本までは口に収まらなかった。何度か頭を上下させてから、一度口を離す。改めて舌を這わせていき、今度はタマを口に含む。重量感のあるそれを口の中で転がすように味わい、反対側のタマも同じようにする。それから再び亀頭を口に収め、今度は奥まで呑み込まずに亀頭に舌を絡めて刺激していく。 「ふうう……虎次郎君、君は本当に美味しそうにしゃぶるね。すごくやらしくて、興奮しちゃうよ」  同じようなことを先程光彦さんにも言われたなあ。でも美味しく感じてしまうのだから仕方ない。もちろん光彦さんのことが一番大好きなんだけど、身体が求めてしまうのだ。目の前に魅力的な男のチンポを出されると欲しくなってしまう。  悠紀さんの言葉にちゃんとした返事をするのは恥ずかしいので、しゃぶる方に集中する。舌を絡ませたり、口をすぼめたり、吸い上げたりしながら頭も動かし、チンポを刺激していく。悠紀さんは舌で少し圧迫するように刺激するのが好みのようなので、それを中心に責めていく。 「あー、最近、溜まってるからっ、すぐに出ちゃいそうだっ。ああ、虎次郎君、出るよっ。あああっ……」  頭を軽く押さえられ、口の中にザーメンの味が広がる。臭いも味もさほどきつくはなく、少し濃いめでやや喉に絡まる感触が後に残るザーメン……しまった。何のためらいもなく飲んでしまった。俺には光彦さんがいるんだけどなあ。口に出されると飲んじゃうよね。 「はああ、気持ち良かったよ……虎次郎君。君にしゃぶって貰った後の社長が、いつも晴れやかな顔をしてる理由がよく分かるね。すごく気持ちいいし、美味しそうにしゃぶって飲んでくれるのがすごく嬉しいよ。またそのうち、気が向いたら俺のもしゃぶってくれると嬉しいなあ。あ、それ以外のこともしたかったらいつでもOKだよ」  悠紀さんはチンポをペーパーで拭いて後始末をすると、俺の頭をぽんぽんと軽く叩く。誘われたら条件反射で受け入れてしまいそうなので気を付けないとなあ。 「じゃあ、行こうか」 「え? ええと、どこに行くんです?」 「うちの実家。さっき話してた、ケモノ頭の人、うちの親父なんだよねー」  ああ、そう言えばそんな話だったっけ。うっかり満足してこのまま帰ってしまうところだった……  連れてこられたのはそこそこ古そうな神社だった。導幻神社って書いてある。そう言えば、悠紀さんの実家は神社だってちらっとだけ聞いた覚えがあるような。本殿の方には行かず、隣に建っている普通の家へ。こっちは表札に道源って書いてある。 「ただいまー。誰かいるかなー?」  ドアを開けて入っていく悠紀さんの後に続き、家にあがらせてもらう。神社は古そうでも、家は割と新しそうだった。案内されたのは普通の居間だ。誰もいない。悠紀さんはティーバッグのお茶を用意してどこかへ行ってしまう。俺は一人残され、勝手にうろちょろするわけにもいかず、座布団に座りお茶をちびちびすすりながら待つことに。  しばらく待っていたら、悠紀さんが出て行った方とは別のドアが開いて誰かがあくびをしながら入ってきた。 「ふああ……客か……」  身体の大きな男だ。身長体重だけならプロレスラーにも負けてはいないだろう。ただし、ゆるめで少し腹が出ている。ぶっとい腕は毛深く、プロレスグッズらしきTシャツの裾からのぞく腹も毛深いようだ。顔は眠いのか少し目つきが悪いが、なかなか男臭くて無精ヒゲも似合っている。しかし、何よりも目を惹くのは…… 「んー……どうした? そんなに、気になるのか?」  どうしても視線がそこに吸い寄せられてしまう。男はくたくたのスウェットズボンを穿いているが、腰ゴムがゆるいのかずり落ちてきている。それを下に落ちずに保っているのが股間の大きな盛り上がりだった。しかもどうやら、下にパンツを穿いていないようだ。初対面の 相手の股間ばかり見るのも失礼だと思いつつも目が離せず、そこにしゃぶりつきたくなってしまう。 「ごめーん、虎次郎君。親父ちょっと出掛けてるみたい。あ、兄貴。おはようー。今日も元気だねー」  そこに、悠紀さんが戻ってきて大男の股間を指で軽く弾く。ぼよんぼよんと揺れるそれの先端をつい目で追ってしまう。その間に、悠紀さんはお兄さんに何かこそこそと話しかけているが、内容までは分からなかった。 「虎次郎君。俺は一旦会社に戻るから、このままうちで待っててよ。親父、昼までには戻ってくるってからさ。あ、帰りは必要なら送って行くから、用事が済んだら連絡してね。じゃあ」  そう言って、悠紀さんが出て行ってしまう。それに何か返事をしたような気もするが、頭の中はそれどころじゃなかった。悠紀さんのお兄さんが移動してきて、俺の目の前に座布団を敷いて座る。そして、俺の飲みかけのお茶をぐびり。 「虎次郎君、でいいのか。君は……弟の友達か?」  お兄さんに話しかけられ、慌てて反応する。こんな目の前で話しかけているのに、いつまでもそんなところを見ているのはさすがに失礼すぎる。今更だけど。 「え? いえ、その、友達とはちょっと違う……と思います。悠紀さんの……職場の関係者、みたいな」  友達と言えるほどの個人的な交流があるわけではないし、俺はサニーマテリアルの社員ではないので、同僚でもない。なかなか説明の難しい関係だった。 「そうか。あいつは仕事の方はうまくやってるのか?」 「はい。そっちは問題ないと思います。光彦さん……ええと、社長にも信頼されてます。たぶん」 「それなら良かった」  お兄さんは湯飲みにお湯を足し、またぐびりと飲む。二杯目はさすがに薄かったのか、テーブルに置いてある缶からティーバッグを出して湯飲みに放り込む。それからまた、口を開いた。 「俺は……あいつの兄貴だ。名前は悠久(ハルヒサ)。道源悠久だ」 「はあ、どうも。よろしくお願いします」  うう、お兄さん……悠久さんに用事があるわけでもないから、どうしたらいいか分からない……ここから逃げ出したくなるが、目の前の股間の盛り上がりが俺を捕らえて放さない。 「今、うちは男ばかりでな。まともなもてなしもできなくてすまない。お袋はもう大分前に死んだし、うちの嫁は今コレでな。向こうの実家に帰ってるんだ」 「ああ、子供ですか……」  悠久さんがお腹が大きく張っているジェスチャーをする。悠久さんはノンケなんだなあ、と思いつつ、そのちょっと突き出たお腹に手を伸ばしてしまう。つい。 「はは。その中には昨日の晩飯ぐらいしか入ってないぞ」  何て言って、笑ってくれる。俺はつい調子に乗って、慈しむように腹を撫でたり、もにもにと揉んでみたり。うーん。最近は鍛えてる人とする機会が多かったから、たまにはこういうゆるめの感触もいいなあ、なんて思ったりして。 「嫁が妊娠してるって話すると、なんかみんな俺の腹触りたがるんだよな。そこまでは腹出てないのによう。何ヶ月ですかー、なんて言いやがって。触るんだったらもうちょっと下触ってくれたらいいのになあ」  えっ? それって…… 「なあ、虎次郎君。一発抜いてくれないか。嫁が妊娠してからセックスしてないんだ。この際男でもいいから、気持ち良くしてくれっ。たまには人にやってもらいたいんだ。な?」 「は、はいっ! 俺で良ければっ」 「良い返事だなあ。なら、頼むよ。溜まってるから、手でちょこちょこっと扱いてくれるだけですぐ出るからさ。俺みたいな腹の出たおっさんのチンポなんて嫌だろうけどな」  悠久さんは立ち上がってズボンを一気にずり下ろす。引っかかったチンポが跳ね返り、勢いよく腹を叩く。ズボンの上から分かってたことだけど、デカい。今まで色々なデカいのと触れ合ってきたけど、その中でもかなり上位の大きさだと思う。先端から口に含むと、大きすぎて亀頭までを収めるのもなかなかきつく、顎が痛くなる。 「おおっ、口でしてくれるのかっ……ああ、久しぶりだっ、この感触……」  悠久さんが再び腰を下ろし、離れていくチンポを追いかけて四つん這いで顔を埋めてしゃぶりつく。呑み込むのは諦めて、手で扱きながら舌で刺激していく。先走りの溢れてくる先端から、根本までしっかり舐める。少し汗と小便の臭いがするが、興奮しているとあまり気にならない。タマも口に含もうとしたが、こちらも大きくて口に入れるのが難しい。吸い付いて舌で責めていく。 「ああ……やっぱり、自分の手でするのとは違うなっ。気持ちいいぞっ……」  やっぱり気持ち良さそうに反応してくれると嬉しい。サオを手で扱きながら、亀頭を中心に丁寧に舐める。先走りを味わいながらそれを続けていると…… 「虎次郎君、そろそろっ、出てしまいそうだっ。ティッシュはそこに……」  射精が近付いてきたようなので、亀頭を口にくわえてサオを激しく扱く。悠久さんはティッシュを渡してこようとするがそれは無視し、そのまま責め続けるとその時が訪れた。 「ああ、駄目だっ、虎次郎君っ。出てしまうぞっ。君の、口の中にっ……あああっ!」  手の中のチンポがどくどくと脈動し、口の中にどろどろのザーメンが吐き出される。臭いや味はさほどきつくないが、この喉に引っかかる濃厚さがたまらない。最後の一滴まで搾り出し、吸い出して舐め尽くす……ああ、また飲んでしまった。 「ほら、これに吐き出して……あれ、飲んでしまったのか?」 「は、はい。つい……」 「済まない。そこまでしてもらうつもりはなかったんだ。だが、君の舌が気持ち良くて、我慢できなかった……」 「いえ、そんな……その、美味しかったです」 「ん? 何だ、君は本当に、その……好きでやってくれたことなのか?」 「はい……悠久さんも、チンポも魅力的だったので、夢中でしゃぶってしまいました……ザーメンも好きです。口に出されるとつい飲んじゃうんです」  素直にそういうと、いきなり抱き締められた。ああ、肉厚な筋肉と脂肪の感触がとても心地良い。 「そんなことを言ってもらったのは初めてだ。俺は男にそういう気持ちは持てないが、とても嬉しいよ。人にチンポをしゃぶってもらうのも……もう何年ぶりだろうな。嫁はやってくれなくてな。とても、気持ちが良かった。ありがとう」  こんなに喜んでもらえるとは思わなかった。やっぱりここまで大きいと、普通の女性相手ではなかなか難しいのだろうか。もちろん好きな人もいるんだろうけど、そういう人と出会えなければ、結婚までしても子作りのための行為以外はあんまりできない、なんてことになったりするのか。 「ところで君は……うちの親父に用があるのか? たぶん、お昼頃には戻ってくると思うんだが……まだ時間があるな。飯でも用意しようか……と言っても、大した物は用意できないんだがな。インスタントラーメンは好きか?」  立ち上がって準備をしようとする悠久さんを引き留める。全くお腹が空いてないわけじゃないけど、そこまで世話になるのもなー。 「いえ、そんな、おかまいなく。それにラーメンより……いえ、その、何でもないです」  おっと。ものすごくつまらない冗談を言ってしまいそうになってしまった。ごまかすためにぬるくなったお茶をすする。 「何だ? 君はラーメンよりザーメンの方が好きか? なんて……」  思わずお茶を噴きだしてしまいそうだった。自分の言おうとしたつまらない冗談を口にされると、何だか俺の残念な心の中を見透かされているようで恥ずかしくなってしまった。 「……大丈夫か? ちょっと冗談が低俗すぎたか」 「いえ、そんな……事実ですから……」  うう、俺は何を言っているんだろう。ああ、悠久さんもちょっと困ってる……困り果てて、悠久さんもおかしなことを言いだした。 「……じゃあ、おかわりするか? 頑張ればあと二発ぐらいは続けて出せるぞ、多分」 「したいです、おかわり……」  その言葉に俺は反射的に答えてしまっていた。ああ、俺には光彦さんという大切な人がいるのに……  二発目はノンケ(のはず)の悠久さんに配慮して、アダルト動画を流しながらしゃぶらせてもらった。最初より量の減ったザーメンを、追加で二発搾り出させてもらった。短時間で三発目を出しても元気で、まだまだ出せそうな感じはあったけど、さすがにそれ以上はやめておいた。  その後、結局ラーメンも用意してくれたのでいただいた。冷蔵庫に残っていたらしい種類の分からない菜っ葉と加工肉を適当に入れた、悠久さん特製インスタントラーメンはわりと美味しかった。  そろそろ親父さんが戻ってきているだろうと言うことなので、悠久さんに連れられて神社の方へ。裏口から中に入ると、そこには本当に……獣頭の何者かがいた。 「親父、お客さんだぞ」 「私にか?」  作務衣姿の獣頭が立ち上がり、こちらに振り返る。猫科の大型動物を二足歩行にしたようなその姿は、やはり俺達ブレンジャーの敵、獣人型改造人間のビーストライブのように見える。 「じゃあ、後は二人でよろしく。何かあったら呼びに来てくれよ、虎次郎君」  悠久さんが家の方に戻っていき、後には獣頭の親父さんと俺が残される。 「君は……何者だ? 私に何の用だ?」  どうしよう。会いに来たのはいいけど、何をどこから話したらいいんだろう。 「ええと、その……ビーストライブって、知ってますか?」 「ああ、知っているとも。クロガネ君の率いている改造人間集団だな」  クロガネ博士とも知り合いなのか。じゃあやっぱり、この人も改造人間だろうか。 「あなたは、違うんですか?」 「私は確かに望月鉄(モチヅキ・クロガネ)という男から改造手術を受けたが、それはあくまで実験台として、だ。あのような犯罪集団の仲間になったつもりはないし、これからも協力するつもりはない。しかしどうしても、この身体のメンテナンスは必要なのでな。クロガネ君との縁を切るわけにもいかん」  ふむ。どうやらレオさんと同じような感じか。レオさんの場合は洗脳される前に逃げた、という話だったけど、この人の場合はそもそも洗脳される予定はなかった、という違いはありそうだが。 「それで、君は何者だ?」 「ああ、すみません。俺は白石虎次郎と言います。クロガネ博士の弟の、シロガネ博士の研究所の者です」  ブレンジャーの一員である、ということはとりあえず言わないでおこう。もし戦うことになんてなってしまったら、俺一人だとどうにもならないし。 「クロガネ君から話は聞いたことがある。ビーストライブと敵対している者達がいると。それが君達ということか」 「はい。まあ、そうです。それで……その、悠紀さんから、あなたの話を聞いて、少し気になって……」 「まあ、大体、君の事情は分かった。ビーストライブかクロガネ君の情報を得られるかと思ってやってきたのだろう。だが生憎だな。私はビーストライブの仲間になったつもりはないが、敵対するつもりもない。あくまで中立の立場を取らせてもらいたいのだ。君達と敵対するつもりもないから、そこは安心してくれ」 「はあ、分かりました」  その言葉を信じるなら、敵にも味方にもならないし情報源にもならないから放っておいていい、ということだな。シロガネ博士への報告は……まだいいか。別に頼まれて調べてるわけじゃないし。 「分かってくれたか。では、こちらからも自己紹介しよう。私は道源不悠(フユウ)。一応今のところ、導幻神社の神主ということになっている。まあ、普段は参拝客などろくに訪れないがな」  うん。人は全然いないね。初詣とかお祭りとか、そういう時期ならもっと人がいるんだろうか。 「ビーストライブの仲間ではないが、それらしい名前も一応ある。ウィザード・ライオンという」 「あれ、それライオンだったんですか?」  ライオンに似てはいるけど、あのタテガミはない。しかし他の大型の猫科肉食獣ともなんか違う。普通よりふさふさしたメスライオン、という感じに見える。 「ふふふ。ただのライオンではないぞっ。ケーブライオンという、大昔に絶滅した種が元になっているのだっ! 格好良いだろうっ!」 「はあ、まあ」  絶滅種の想像図がモデルってことかー。格好良いか良くないかと聞かれれば格好良い、けど。やっぱりあのタテガミのあるライオンの方が…… 「むっ。君、今失礼なことを考えているなっ。よしっ。私の格好良いところをもっと見せてやるっ。少し待っていろっ」  そう言って、不悠さんはどこかへ行ってしまう。しばらく待っていると、不悠さんの服装が替わっていた。なんだか、ファンタジー世界の魔法使いの黒いローブみたいな……ああ、そうか。ウィザード・ライオンだったっけ。水晶玉みたいなのが付いた杖も持っているし、なかなかそれっぽい。 「どうだっ。これがウィザード・ライオンの真の姿だっ」 「はあ……魔法とか使えるんですか?」 「うむっ。見ていろっ」  不悠さんは部屋の隅に置いてあった大きな布を広げる。おお、それっぽい魔法円が。直径二メートルぐらいの円の中に、色々な図形やら文字やらが書かれている。ところどころに漢字が混じっているのがちょっと気になる。  それからその中心にビンが置かれた。中にはカラフルなビー玉がいくつか入っている。普通のビー玉に見えるけど、これをどうにかするんだろうか。 「では、始めるぞっ」  不悠さんが杖を両手で持ち、頭上に掲げる。そして、呪文を唱え始める。おお、それっぽ……くないような。これ、呪文じゃなくて祝詞じゃない? 神主さんだからか。  祝詞を唱えていくうちに、杖の先端の玉に光がともる。それから杖の先をビンの中にゆっくり突き入れる。そしてさらに呪文……じやなくて祝詞を続けていくと、不悠さんを中心に風が巻き起こる。ローブの裾が大きくめくり上がり、不悠さんの顔を隠す。同時に、ローブの下が露わになる。  ローブの下には何も身につけておらず、獣毛に覆われた逞しい身体と、大きく勃ち上がったチンポがよく見える。ビーストライブの仲間じゃなくてもクロガネ博士の改造人間だから、やっぱり禁欲エネルギーなのかな。うーん、悠久さんほど大きくはないけど、それなりに大きくて美味しそうなチンポだなあ。挿れてもらうと丁度気持ち良さそう……なんて思って眺めていたら、風が収まってしまった。残念ながら儀式が終わってしまったらしい。  不悠さんはビンに蓋をすると、俺に手渡してきた。中のビー玉がちょっと光ってる。わりと綺麗だ。 「どうだっ。これが私の魔法だぞっ。それは君にやろう。本当ならそれなりに高価なものになるのだが、君には特別だっ」 「はあ……」 「む、その価値が分かっていないな? それは私の魔法により、交通安全のお守りとして機能するのだっ。それを持っている者を本当に交通事故から守ってくれるぞっ。効果を発揮すると輝きを失っていくから、全ての光が消えたらまた持ってくるといい。また魔法を見せてやろう」  へええ。本当ならすごいなあ。でもこれぐらいの大きさなら、光彦さんの車の中に置いておいてもいいかも。 「じゃあ、ありがたくいただいておきます」 「うむ。そして私の凄さ、格好良さを知るといいっ……ところで君、格好良い私の性処理を手伝う気はないか? 私は魔法を使うとしばらく禁欲したときと同じ状態になってしまうのだ。そのお守りの代価として君の尻を使って、私とその、いわゆるひとつのアナルセックスと呼ばれる行為をば……」 「はい。俺で良ければ」 「返事が早いなっ。ならば君の気の変わらないうちに始めるぞっ」  結局また神社から自宅の方に戻ってきて、身体を洗ったり尻を綺麗にしたりしてから寝室へ。ぺしゃんこの煎餅布団の上で、先にシャワーを浴び終えタオルを腰に巻いただけの不悠さんが仁王立ちで待っていた。俺は吸い寄せられるようにその前にしゃがみ込み、タオルをはぎ取ってチンポにしゃぶりついた。  大きいが、悠久さんのに比べるとかなりしゃぶりやすく感じる。先端からサオの半分ぐらいまでを口に収めて、またギリギリまで口から出すところまで抜いて、また呑み込む。それを少し繰り返すと、不悠さんの手が俺の頭を押さえつけた。そして、自分から腰を動かし始める。少し苦しいが、こういうのも興奮してしまう。しばらく続けてから、一気にチンポを引き抜かれる。 「ぷはあっ、ああ、はああ……」 「君は私の一物が好きか。それが伝わってくるぞ、もう少し頼むっ」  チンポが喉まで突き込まれて、また抜き去られる。それをゆっくりと何度も繰り返し、不悠さんは俺の口を使って快感をむさぼる。苦しいのに、俺のチンポはガチガチに硬くなっていた。巻いていたタオルが先走りで汚れそうだったので外しておく。  しばらくしてチンポが口から引き抜かれ、俺の身体が転がされる。仰向けで両脚を抱えるような姿勢にされ、ローションを付けた指で尻穴がほじくられる。ああ、掘られるなら一応ヒーローモードに切り替えておかなきゃ。普通に射精をするのは、光彦さんとの時だけにしたい。快感に違いはないし、気分的な問題だけなんだけども。 「ふむ。君は尻を随分使い込んでいるな。息子達ともしているのか?」 「い、いえっ、そこまでは……まだどっちもしゃぶっただけで……」 「まだ、というとはこれからする可能性もあるということか? むむ、これはけしからん尻だっ。親子三人を喰らうつもりとはっ。私の一物で成敗しなければなるまいっ!」  そんなつもりもなかったけど、悠紀さんや悠久さんに掘られているのを想像してしまう。いやあ、さすがに結婚してるノンケの悠久さんとそこまではまずいかなー。一度あれで掘られて癖になったらまずいよなー。なんて想像していたら、段々と尻をほじる指の責めが俺の弱いところを的確に刺激するようになってきた。 「ああ、そこ、気持ちいいです……」 「そうだろう。私は改造される前から魔法使いと呼ばれていたのだっ。『指先の魔法使い』となっ。私のこの指にかかれば、バリタチだろうと未経験のノンケだろうとあら不思議! 思い切り感じさせられてしまうのだっ!」  本当にそう呼ばれていたのかどうかはともかく、上手いのは確かだ。俺の感じるところを指先で刺激して、イかせるところまでは責めずに焦らしてくる。 「うう、もっと……激しく、して欲しいです」 「駄目だっ。君のような既に開発済みの尻は、私が本気を出すと指だけで満足されてしまうからなっ。今は私の一物を挿れるための準備をしているだけだと理解しろっ」 「ああ、そんな……じゃあ、不悠さんのチンポ、早く挿れて欲しいです……」 「よし。ではそろそろ挿れてやろう。尻を開いて待てっ」 「はいっ……」  俺は自分で尻たぶを掴み、穴を広げるように意識しながら待つ。不悠さんは自分のチンポにローションを塗りたくると、俺の尻穴に触れさせてきた。そして、一気に突き込んできた。 「うあああっ!」  最初の一突きで、押し出されるように俺のチンポから汁が漏れる。その後も、突かれるたびに汁がとろとろと溢れ出してしまう。やっぱり予想した通り、俺の尻には丁度良い、気持ちの良いチンポだ。それを最初はゆっくり、少しずつ激しく抜き差しして、不悠さんが快感をむさぼる。それにより、俺にも大きな快感がもたらされる。 「うむっ。良い尻だっ。気持ちが良いぞっ。私は決して、決して早漏というわけではないがっ。力を使った影響で我慢が出来ぬっ。早めにまず一発、君の中に出させてもらいたいっ。ああ、出るっ!」  最初の一発はあっという間だった。不悠さんのチンポがどくどくと脈動するのがなんとなく感じられる。出し切るとチンポを引き抜き、俺の身体をひっくり返す。そして今度は四つん這いにした俺に後ろから覆い被さり、硬いままのチンポを再び突き挿れてくる。今度はゆっくりと挿入してきて、奥の方をごりごりとえぐり、掻き回してくる。 「うあっ、ああ、あああ……」  強い快感に、俺は我慢できずに声をあげてしまう。漏らしてしまった汁がシーツに垂れてしまっているような気がするが、止めることなど出来ない。快感と共に、後から後から溢れてきてしまう。 「あまり大きな声を上げると、悠久に聞こえるぞ」  などと言われて、慌てて声を抑える努力をする。しかし不悠さんは責めの手を緩めることなどしてくれないので、結局我慢できずに声を上げてしまう。 「んんっ、んぎい、いい、いああっ、ああああっ!」 「そうだっ。もっと声を出せっ。その方が気持ちが良いぞっ。ああ、私もたまらんっ。君の尻は最高だっ!」  不悠さんも大きな声を出しながら、俺の尻を掘る。激しい抜き差しと、すくい上げるような突き上げや地面を掘るような突き下ろし、すりこぎのように奥を掻き回す動きなどを交えて責められる。頭が真っ白になるほどの快感が、どれほど続いただろうか。 「ああっ、そろそろ、二発目を出すぞっ。君の尻の中にっ……ああ、虎次郎君、あああっ!」  奥まで突き挿れた状態で、後ろから覆い被さった不悠さんに押し潰される。その重みと獣毛のくすぐったいような刺激はなかなか心地良かった。しかし段々息苦しくなってきたので、仕方なく下から押し返して起き上がって……もらおうとしたが、身体に力が入らなかった。 「よし。このままもう一発……といきたいところだが、明日はお守りの予約が入っているのでなっ。少しは禁欲エネルギーを溜めておかねばならないのだ。続きは明日にしよう。明日の夕方にでも来てくれっ!」  何だか一方的に約束させられてしまったぞ。まあ、いいか。  帰りは悠久さんが車で送ってくれることになった。途中で寄ったコンビニで買ったコーヒーを飲みながら、二人で話をする。 「親父には……何の用だったんだ?」  と、聞かれても、どこから話したものか……そしてどこまで話していいのやら。 「ええと、その……俺の職場の方で、不悠さんみたいな、獣人のような改造人間と戦ったりしてまして……」 「ああ、それで……親父が君の職場にとって、敵かどうかを判断したかったわけか。それで、どうだった?」 「大丈夫そうでした。敵対する気はないって言ってくれましたから」 「そうか、それなら良かった」  あまり表情の変わらない悠久さんが、口元に少しだけ優しそうな笑みを浮かべた。 「親父は……俺の身代わりになってくれたんだ。俺は一度クロガネ博士の部下に捕らえられて、改造されるところだったが……クロガネ博士と知り合いだった親父がそれを止めたらしい。それで、親父が改造手術を受ける代わりに、家族には手を出させない、それ以外の協力もしないという約束をしたらしい」 「そうだったんですか……」  言動がちょっとおかしな人だったけど、家族思いのまともな人だったんだなあ。ちょっと見直してしまった。 「良かったら、また親父に会いに来てやって欲しい。あの姿ではやっぱり、人前には出にくいみたいでな」 「はあ……分かりました。とりあえず、明日も来て欲しいって言われちゃったので、また来ます」 「そうか……その時は……もし良かったら、また、その、俺の……」  悠久さんが口ごもる。でも、何を求めているのかは大体分かった。 「はい。その時はまた悠久さんのもしゃぶりに来ますよ」 「あ、ああ。悪いが、また頼む……」  ああ、俺には光彦さんがいるのにまた約束してしまった……つい。あ、今日は朝、光彦さんのしゃぶっただけだから、夜は掘ってもらいたいなー。光彦さん帰ってるかなあ。