私は悩んでいた。もうすぐ二十歳になる息子のことだ。  息子が成長し、逞しくなったのは喜ばしいことだ。だが、こんなにも私の好みのタイプに成長するとは思わなかった。  男だけの家庭で、私を見て育ったのだから私の行動を真似するのは仕方ないが、家の中で半裸で過ごしたり、目の前で着替えたり、下着一枚だけの姿でうたた寝をするのはそろそろやめさせなければならないか。気を付けないと、うっかり息子に欲情してしまいそうになる。  いくら血縁がないとはいえ、息子に欲情するのは良くないだろう。どうにかしなければ…… 「うあ、あああ、それ、気持ちいいっ……ボス兄っ、ああっ……」  勃ち上がっても亀頭を覆ったままの一物の皮を口の中で剥いてやり、激しく舐め回してやる。そうするとこの男……オルトーはこうやって、いい声を上げる。分かりやすい反応をしてくれるのは興奮するが…… 「あまり大きな声を出すと、ファンゴーに聞こえるぞ」  隣の部屋には息子がいるのだ。親の性行為を見てトラウマになるような歳ではないだろうし、私とオルトーがこういった関係にあることも知っているだろうが、積極的に見せるつもりはない。 「そうは、言ってもっ……僕、そこは、敏感っ……だからっ……あああっ!」  いい歳して経験の少ない少年のように声を上げて悶え、肉付きの良い大きな身体をくねらせるが止めようとしたり、引き剥がそうとしたりはしない。しばらく責め続けた後、一旦責めを止めて顔を見ると、求めるような目で見つめてくる。しかし私は露出させていた亀頭を再び包皮を収め、手も離してしまう。 「うう……」 「どうした。不満そうだな」 「ううう……もっと、してほしい……」 「じゃあ、もう少し静かにするか?」 「うんっ、だから、もっとっ……」  そんないつも通りのやりとりの後、責めを再開する。先端まですっぽりと包んでいる包皮と亀頭の間に、舌をねじ込んでやると、オルトーは再び身をよじる。ただし、今度は必死で声を抑えている。 「くっ、ううっ、んんっ……」  一物はじっくりと責めながら、同時に尻穴も責めてやる。ローションを塗りたくった指を突っ込んでほじくってやると、オルトーはもうそれだけで声が抑えられなくなってしまう。 「んっ、んぐうっ、うう、うああっ、ああああっ!」  これまで何度も同じ事をされてきて、少しは慣れて声を抑えられるようにはならないものかと思うのだが、今のところそうはなっていない。むしろ反応が激しくなっている気さえする。 「うう……ボス兄、駄目だよ、すぐ、出ちゃう……」 「んっ、少しぐらい、我慢しろっ」  仕方がないので一物への責めを止め、尻をほぐす方に集中する。長年私に弄られ、掘られ続けて少しはゆるくなってきたそこは、指を増やしてもさほど抵抗はない。私の一物が入るように穴をほぐして広げていく。 「そろそろ挿れるぞ。いいか?」 「うん……あ、待って。僕も……」  指を引き抜き、代わりに私の一物を挿れようとすると、オルトーがのそのそと姿勢を変え、私の一物にしゃぶりついた。私の真似をして包皮と亀頭の間に舌を挿れようとするが、オルトーほどには皮が余っていないので同じようにするのは難しいようだ。そして、オルトーほどには弱くないので、激しく責められたところで大きな声を上げることはしない。  オルトーは私の真似をするのを諦め、責め手を変える。唇から舌、喉まで口全体で包み込み、適度に締め付けながら頭を動かして私の一物を刺激してくる。これがなかなか気持ち良くて、長く続けられると確実に射精してしまうので適当なところで引き剥がす。 「そろそろいいだろう。お前も尻にも欲しいんだろう?」 「うん……」  しゃぶるのをやめさせられたオルトーは自分から四つん這いになり、尻を私の方に向ける。自分の一物にローションを塗りたくってから目の前で口を広げている尻穴にあてがい、一気に突き挿れる。 「んぐああっ!」  最初の一突きで、案の定大きな声を上げる。息子には聞こえているだろうが、今更オルトーの口を塞いだところで手遅れだ。今は気にせずに尻穴の感触を味わう。  オルトーの尻穴にチンポを突き挿れるとするりと呑み込まれるが、一度喰らいつくと放したくないのかしっかりと絡みついて締め上げてくる。そこを無理矢理引き抜いて、また突き挿れる。また引き抜いて、と繰り返すたびに尻穴に私の一物が扱かれる。何度味わっても、この尻穴はたまらなく気持ちがいい。 「ああ……ボス兄っ、それ、気持ちいいっ……やっぱり、ボス兄のチンポ、ああ、そこ、当たってるっ……」 「うむっ、ここか。ここだなっ。もっと激しくえぐってやるぞっ」  余裕のあるところを見せようと、少し油断するとすぐに射精してしまいそうだということを悟らせないよう精一杯落ち着いた声を装って言葉を掛ける。同時に、長年掘り続けているのですっかり把握しているオルトーの弱いところを重点的に責めてやる。一番奥をえぐられるのも好きだと言うが、こいつが一番感じるところはもう少し手前の微妙な位置だ。抜き差しの途中でそこを突いてやると、激しく声を上げ始めたので、手近な位置にあった私の下着をオルトーの口に押し込む。 「んぐううっ、うう、んんんんっ!」  オルトーを悶えさせながらその尻穴で快感をむさぼる。しばらくは何も考えずにそれを続けた後、一物も責めてやろうと手を伸ばし、汁まみれでぬるぬるのそれを握る。その瞬間、手の中のそれがどくどくと脈動した。 「んんっ、んぐうっ、うう、うぐうううっ!」  オルトーが漏らした精液は、咄嗟に受け止めようとした私の手では収まりきらず、それを想定して下に敷いていた大きなタオルに撒き散らされる。出し切るのを待ってから私は自分の一物を抜き差しする腰の動きを激しくする。既に暴発しそうだったものだから、我慢しなければあっという間だった。 「私も出すぞっ。おおおっ……」  一物を奥まで突き挿れて、身体の奥深くに精液を注ぎ込む。いや、搾り出された、というのが正しいのかも知れない。それほどまでに、オルトーの尻穴は気持ちが良い。最後まで出し切ってからゆっくり引き抜く。とりあえず自分の一物を綺麗なタオルで軽く拭ってから下着を……穿こうとして、オルトーの口に押し込んだことを思い出す。もう唾液でドロドロに汚れていたそれは、これからまた穿こうという気持ちにはさせてくれなかった。まあいい。どうせ下着は替えるつもりだったからな。  ぐったりとしたオルトーの身体も綺麗に拭いてやり、敷いていた汁まみれのタオルはベッドからはぎ取る。落ち着いたら一緒に身体を洗いに行きたいと思うのだが、いつものことだがセックス後のオルトーはなかなか動いてくれない。立ち上がる気になるまで話でもするか。 「オルトー、少し相談があるんだが」 「んー……なにー……」  まだまだ声にやる気がない。だが、一応いつもちゃんと応えてはくれるので大丈夫、のはずだ。 「お前は……息子のことを……どう思う?」 「ファンゴー君? いい子だと思うけど……どうかしたー?」 「いや、その……男として、どう思う?」 「可愛いとは思うけど……もう少し年上で経験豊富な方が好みかなー。まあ、いけないことはないから、ボス兄がいいって言うならセックスでもなんでもするけど……」 「それは駄目だっ!」  しまった。二人が深い関係になることを想像して、反射的に口にしてしまった。 「しかし、お前はその気になれば息子は……その、好みの範囲内ではあるんだな?」 「うん。まあ。歳は大分離れてるけど、元気はありそうだし」  オルトーの歳は私よりいくつか五つか六つ下だったから、四十ほどだったか。二十歳前の息子とはかなり歳が離れている。しかし、充分その気になれるんだな。それなら…… 「では……例えばの話だ。私が、ファンゴーぐらいの年齢の男に欲情するのはおかしいことではないよな?」 「うん、そうだね。それぐらいの年の差カップルも知り合いにいるし。珍しくもないんじゃないかなー。したいならしちゃえばいいんじゃない? ファンゴー君とセックス」 「なっ、何故そうなるっ!?」 「あはは。やっぱりそうなんだねー」  どうやら私の本当の悩みを推測するためのヒントを出し過ぎてしまったようだ。付き合いの長いオルトーは、私の考えていることなどお見通しということか。 「しかし、私とファンゴーは親子だぞっ。親子でセックスをするというのは、いくら男同士で子供が出来る心配はないと言っても……」 「でも、僕は結構父さんとしてたしー。なんかそういう魔術の儀式というか、必要なことだから、とか言ってた」 「ああ、そういうのはあるが……それは、あくまで必要だからやっていることだからなっ」  精液に情報や魔術などを載せて相手に送り込む魔導技術がある。我々……ジルファラル家のようにそれなりの名家であれば、代々伝えていくべき情報や技術などもある。そういったものを子供に伝えるために、そういう技術を用いることはある。私の場合は上の兄と歳が離れていて、幼い頃に後継者はもう決まっていたため、そこまでのことはされなかった……ような気がする。あれとかあれとかは違うよな、うむ。そして私も、今のところ息子にそれをしていない。本家を継ぐのでなければそこまでは求められないからな。 「だから、そういったしなければならない理由もないのに親子でセックスをするというのは……」 「いいでしょ、別に。それに、血の繋がった甥の僕とはそんな理由なんてないセックスしてるのに、血の繋がってない養子のファンゴー君はセックスしてもらえないなんて不公平じゃない?」 「不公平とかそういう問題なのか?」  歳の離れた兄の子であるオルトーとは長い付き合いになる。同じ家で私たちは兄弟のように育ち、家の中では歳が比較的近かったため仲は良かった。オルトーに自慰を教えたのは私だったし、男同士のセックスのやり方を教え、初めての相手となったのも私だった。私がファンゴーを引き取ってからはまた同じ家に住むことになり、私が忙しいときなどにファンゴーの世話をしてくれた。お互い恋愛感情はないのだが家族としての愛情はあり、私のことを一番よく分かっているのはこの男だろう。  ファンゴーは戦場で保護し、私が引き取ることにした子供だった。私は男女どちらとも結婚はしていないし、他に子供もいない。女性に興味はなかったから、どこかで子供が出来てしまっている可能性もない。ファンゴー一人に精一杯の愛情を注いできたつもりだ。そんな愛する息子に欲情するなどという、信頼を裏切るような気持ちを抱いてしまうなんて……ああ、私は父親には向いていなかったのか……そう悩んでいたのに。オルトーがこんな軽い反応をするとは思わなかった。 「向こうだってもしかしたら父親と……ボス兄とセックスしたいって思ってるかもよ。だってほら、ボス兄もそうだったんでしょ。父さんとか爺ちゃんとかが寝てる時にこっそりチンポしゃぶったりしてたって言ってたよね」 「あれは……思春期の気の迷いだっ! 大人の男の一物に興味がある時期というのがあるだろうっ!」  やはり、あんなことはオルトーに話すべきではなかった。まだ十代前半の……思春期の頃、大人の男の勃起した一物に多大なる興味を持ってしまった私は、寝ている父や兄の一物をしゃぶったりしていた時期があった。何度か繰り返したが、父にかなり叱られたのですぐにやめたのだった。お前に抜かれると必要なときに勃たなくなるからやめろ、と……そう言えば、あの時も別に親子だから、兄弟だから、などとは全く言われなかったな。やはり、そういう家だということか。 「まあねー。僕も父さんとかに同じようなことしたからね。だから……その、親子でやらしいことするのなんて、そんなに深刻に考える必要ないよ。男同士なんだから」 「そういうものか……?」 「そんなもんだよ。我慢できなくなったら性教育だとか必要な儀式だとかそれらしい理由つけてやっちゃえばいいよ。ファンゴー君は父親のこと……ボス兄のこと、大好きだから。嫌がらないよ」 「むうう……」  そんなものなのだろうか。とりあえず、一度息子と二人で話し合う時間を作るべきか。セックスをするかどうかはともかく。  俺は悩んでいた。父親である、ボスコー・ジルファラルのことだ。  ジルファラル家は代々優秀な帝国軍人を排出してきた名家……なんて言われてる家で、親父はそこの四男だったかそのぐらい。親父も軍人で、厳つくて凛々しい顔と逞しい身体に軍服がよく似合って格好良いのだ。そんな親父を見て育った俺も、自然と軍人の道を選んだ。まあ、親父は「軍には入らなくていい」なんて言われて、普通の高等学校に入れてくれたけど、そっちを卒業してから結局帝国軍の教練学校に入ることになった。  訓練はきついけど訓練生としての生活はそれなりに楽しんでもいる。同期の友人もできたし……ただ、物足りないことは一つあった。親父に「そろそろ男でも女でも恋人の一人や二人いないのか?」なんて言われて、女の人には興味なかったから周りの男にそういう目を向けるようになった。でも、なかなかそんな相手には巡り会えなかった。  俺の好みは結構年上で頼りがいがあって、逞しくて男らしくて……そんな相手とはそう簡単には出会えないし、会えてもどうしても……心の中で、親父と比べてしまっていた。で、色々な男をそういう目で見るたびに、気付いてしまった。  俺は自分の親父のことを尊敬していて、父親として好きなんだと思い込んでたけど、実は恋愛の対象として好きなんじゃないかって。一度そう思ったら、もう親父を今まで通りの目で見られなくなってしまった。今までは普通の親子のスキンシップだったはずなのにそれでドキドキしてしまったり、家の中を無防備な恰好でうろつかれたりすると興奮してしまうようになった。  こんなの、おかしいよな。まずいよな、実の父親が好きで、欲情してるなんて……とは思いつつ、今もこうして、リビングのソファーで寝息を立てている親父のことが気になって仕方がない。軍服を脱いでタンクトップとビキニブリーフだけの姿が俺の目を引きつける。  改めて親父の姿を観察する。整えられたヒゲに、今は少し無精ヒゲが加わっていて……これはこれでいいよな。身体には筋肉がしっかり付いていて逞しく……昔はあんなに大きく見えたのに、今では俺の方がデカくて、身長が拳一つ分ぐらい高く、横幅はかなり差がある。でも、やっぱり親父の方が全体的にバランスが整っていて格好良い身体だと思う。  もっと近付くと、シャワーも浴びていないのか少し汗臭かった。小さい頃からずっと、仕事帰りの汗臭い親父と触れ合ってきたせいか、この臭いはとても落ち着く臭いだった。なのに、いつの間にか興奮する臭いになってきてしまっている。  そして……どうしても気になるのが、股間の盛り上がりだった。パンツの前が大きく膨らんでいて、丁度勃起しているようだった。別にやらしい夢を見てるってわけでもなく、ただ寝ている間に勃ったり萎んだりしてるというやつだろう。ちょっとぐらい、触ったりしても大丈夫かな。布の上から触るととても熱いように感じた。そして、手の中で更に硬くなっていった。  親父のチンポは結構大きくて……何となく、ぴっちりしたパンツの中が窮屈そうに見えた。だから、教練学校の同期の友人から教えて貰った、こう言うときに便利な魔術を実践してみることにした。簡単に言ってしまえば、魔術で優しく空中に浮かせて、その間に普通に脱がすだけなんだけど。  小声で呪文を唱えると、親父の身体が少し空中に浮かぶ。その魔術を維持しながら、ビキニブリーフをゆっくりずり下ろしていく。腰ゴムがチンポに引っかかった時は焦ったけど、何とか起こさずに脱がせることに成功した。親父の身体を再びソファーに下ろしてから、何となくパンツの臭いを嗅ぐと、汗とか色々混ざった臭いがした。うっかり自分のズボンのポケットに入れそうになったけど、ばれないように後でまた穿かせないといけないことを思い出し、持ち帰るのは諦めた。  改めて、剥き出しになった親父のチンポを見る。大きさは充分にある。俺もそんなに経験がある方じゃないけど、やっぱり平均的なサイズよりは少し大きいと思う。頭から根本まであまり太さの変化がないけど、力強く反り返ったチンポ。ただし、結構皮が余っていて、勃起しても先端が少し顔を出す程度だ。こうして間近で親父の勃起したチンポを見るのは初めてなのに、どことなく親近感が……あっ。  俺も下を全て脱いで、ずっと勃起したままのチンポを親父のチンポの隣に並べる。やっぱりそうだ。大きさはちょびっとだけ俺の方が大きいみたいだけど、形はよく似ている。太さのバランス、反り、皮の被り具合。親子ってこんなところまで似るものなのかなー。ちょっと嬉しい。  そんな親近感のある親父のチンポを握って、軽く扱く。しかし残念ながら、勃起はしていても寝ている間では反応がない。気持ちいいのかどうかも分からないし、このまま扱いていても射精するかどうか分からない。だから少し味わうだけにしよう。  親父のチンポを先端から口に含む。シャワーを浴びてないからちょっとしょっぱい。手で皮を剥いてやりながらカリ首を舐めると……あれ、ここはわりと綺麗にしてあるみたいだ。俺ももうちょっと綺麗にした方が良さそうだなー。  亀頭に舌を絡ませながら、頭を上下させたり、口をすぼめてみたり吸ってみたりして刺激する。反応はしてくれなくても親父のチンポをしゃぶってるだけでとても興奮してしまう。俺は自分のチンポを扱きながら夢中で味わった。  少しだけ、もう少しだけ、と味わっているうちに、いつの間にかそれなりの時間が過ぎていたようだ。俺の方がそろそろ出そうだったから、それで満足してやめよう、と思っていたら、いきなりそれは来た。 「んぐううっ……」  いきなり口の中にザーメンの味が広がる。親父は寝息を立てたまま、俺の口の中に射精してしまったようだ。射精が近付いていた俺を、その興奮が後押しして、俺も自分の手の中に射精した。  口の中のザーメンを飲み下し、自分のザーメンの後始末をしてから……我に返る。ああ、俺はなんてことをしてしまったんだ……いくら大好きでも、寝てる親父のチンポをしゃぶって射精までさせるなんて……罪悪感はあるが、一度知ってしまったこの興奮は忘れることができない。また、同じ事をしてしまうかも知れない。  ああ、どうしたらいいんだろう……誰かに相談でもしてみようか。 「で、相談って何? 教練学校のこと? それとも家の中のこと?」  こんなことを相談できるのは他にいなかった。オルトーおじさん。親父の兄貴の息子らしいからイトコになるんだろうけど、歳が二十歳ぐらい上なので小さい頃からおじさんと呼んでいる。  うちはずっと片親なので、親父が忙しいときに俺の世話を焼いてくれていたのがオルトーおじさん。最初は別の家に住んでいたと思うんだけど、いつからかほとんどうちに住んでいるような状態だ。まあ、家族と言って差し支えないと思う。  親父と叔父と甥の関係だけど、歳が近いからか兄弟のようなものらしく、普段のやりとりもほとんど兄弟に対するそれだ。でも、どうやらセックスをする関係らしい。恋人とかなのかどうかはよく分からない。 「親父のこと……なんだけど。実は、俺……」  そこまで口にして、一度深呼吸する。俺の緊張が伝わっているのか、オルトーおじさんは笑顔で俺の言葉を待っていてくれる。 「俺、親父のこと……好きに、なっちゃった、みたいで」 「それは、親子としての好意だけじゃなくて、ってこと?」 「うん……最近段々我慢できなくなってきて……この間、ついに……その、寝てる親父の……」 「あー、あれはイタズラしたくなるよね。僕もよくするし。どこまでやっちゃった? 触っただけ? それとも跨って挿れちゃった?」 「う、ああ、その……しゃぶるところまで……」  まさかそこに共感されるとは思わなかった……オルトーおじさんは親父と普通にセックスする関係なんだから、こっそりイタズラなんてしなくてもいいのに…… 「へえ。どう、興奮した?」 「うん……しゃぶりながら、自分でも……」  オルトーおじさんにはつい何でも話してしまう。具体的にどんなことをしたかなんてそこまで言わなくてもいいのに。 「そうかー。じゃあ次は、ちゃんと直接伝えてみようか。お父さんが大好きでセックスしたいです、って」 「うええ……そんなの、大丈夫なの? だって、親子で……セックスしたい、なんて」 「まあ、大丈夫じゃない? 男同士なら子供ができちゃう心配もないし。僕もしてたしね。父さんと。まあ、あれは魔術の儀式というか、必要なプロセスとしてセックスしてただけだけど」  ああ、そんなこともあるとぼんやりと聞いたこともあるような……でも、俺の場合は大好きなだからセックスをしたいっていうだけだから、それと一緒にはできないよな。 「そもそも、ファンゴー君とボス兄の場合はそんなに気にしなくてもいいと思うんだけどなあ……親子とはいえ、血が繋がってるわけでもないんだし……」 「え?」  俺と、親父が、血が繋がってない? まさか、そんな…… 「あれ、もしかして……知らなかった?」  驚きが強すぎて言葉が出てこない。とりあえず頷いておく。 「言ったらまずかったかな……でももう言っちゃったしなー。もうごまかしてもしょうがないか。うん。ファンゴー君はボス兄が戦場で保護してきた子供なんだよ。普段は血縁があるかどうかなんてわざわざ気にすることもないし、ボス兄も時々そのこと忘れるって言ってたしね。ボス兄がファンゴー君のこと大好きなのは事実だし、僕らかしたら血縁なんてどうでもいいし。うん、まあ、そういうことで」  オルトーおじさんが言い訳のように言葉を並べ立てる。言いたいことは分かった。確かに、親父が俺のことを大事にしてくれてるのはよく分かる。親父には他に子供もいないから、血縁のある子供と比べるようなこともないから、確かに、気にするほどのことでもない、のかなあ。うーん、複雑な気分だ。 「親父と血縁がないなんて、思いもしなかった……だって、こんなに似てるのに」  小さい頃から、周りの人からお父さんにそっくりって言われて育ってきたし、今でも似てるって言われるのだ。それなのに…… 「どうも、よく似てたみたいなんだよね。その、生物学的な意味での父親の方と。だから、まだ小さかったファンゴー君が最初からボス兄に懐いてたらしいよ。うち……ジルファラル家とは全く関係ないはずなんだけどねー」 「じゃあ、本当にただの偶然、見た目が似てるだけ? 顔とか、チンポの形とか皮の余り具合まで……」 「うん。偶然偶然。これってもはや、運命の相手ってことかもねー」  運命の相手かー。そう言われると、もう、血縁ぐらいなくてもいいかなー、なんて。あ、血縁ないなら、親父に恋しちゃうのってそんなに変じゃないよな? ようし。 「ありがとう、オルトーおじさん。俺、親父に素直に話してみるよ」 「がんばってー。うまくいったら今度三人でもしようよ」 「あはは……そこまではまだ……」  まずは、親父に俺の気持ちを分かってもらわないと。  最近、息子の視線が気になる。何かを言いたそうにしているが、なかなか言ってこない。こういうときは……よし。いつも通りのアレでいこう。それで駄目なら次の手を考えるっ。今日は……よし。オルトーは夜勤だな。家には二人きりだっ。  と言うわけで、今日の夕食は息子の好物である特製グラタンだ。ショートパスタとホワイトソース、チーズを使った普通の味付けだが、肉や野菜をごろごろと大量にぶちこんだ、ボリュームたっぷりの料理だ。息子のために色々な料理を作ってきたが、小さい頃から今までずっと、息子の一番の好物はこれだった。これに加えてあっさりした野菜スープと、店でオススメされたよく知らないフルーツを出す。  料理の並べられた食卓を見て、教練学校から帰ってきたファンゴーが顔をほころばせる。悩みはあっても、好きなものは好きということだな。食事前の挨拶をしてから、ファンゴーはかなりの勢いで食べ始める。 「はは。そんなに慌てて食べなくても、お代わりはあるぞ。火傷したり、喉に詰まらせたりしないように、もう少しゆっくり食べるんだ。ここは教練学校でも戦場でもないからな。急ぐ必要もない」 「うんっ、んぐっ、うううっ!」  ファンゴーが苦しそうに胸を叩く。もう詰まらせたのか。仕方なくカップに水を注いでやると、それを一気に飲み干してからやっと落ち着いた。全く。いつまでも小さな子供のようだ。 「ぷはあ……あー、苦しかったー。でも、なんだかこのグラタンも久しぶりな気がして……興奮しちゃって」 「そうだったか?」  ファンゴーが小さい頃は、肉も野菜もちゃんと食べるようにこういった料理をよく作ったものだ。だが最近は……確かに作る頻度は減っている。息子のために料理のレパートリーを増やした結果、なかなかローテーションが回ってこなくなってしまったのだ。だから、このグラタンのような息子の好物は、ここぞと言うときに作ってやるようにしている。今日のように。 「俺、やっぱり親父のグラタンが一番好きだ。他のところで食べても、何だか物足りなくて……何がそんなに違うんだろうなあ?」 「特別なものは入っていないし、特別な作り方をしているわけでもない。愛するお前のために、いつも心を込めて作っているだけだ」  そう口にすると、ファンゴーは変な色のカリフラワーをフォークに刺したまま、何故か顔を赤らめて動きを止めてしまった。どうしたんだ、急に。そんなにおかしな事を言ってしまっただろうか。いつも口にしている言葉とさほど変わらないと思うのだが。  それからしばらくは二人とも無言で食事を続けた。二人の皿が空になったところで、やっとファンゴーが言葉を発した。 「なあ……親父は、どうしてそんなに、俺のことを……大事にしてくれるんだ?」 「どうして? 愛する息子を大事にすることに理由などあるわけがない。親とはそういうものだ」 「でも……親父と俺には、血の繋がりなんて……ないんだろ?」  ああ……知ってしまったのか。それで様子がおかしかったんだな。 「……いつかお前に、伝えなければとは思っていたのだがな。愛してさえいれば、血縁の有無など関係ないと……勝手に思ってしまっていた。すまない」  私は、ファンゴーを引き取ることになった経緯を話すことにした。  それは、約二十年前。私が戦場に出ていた時の話だ。  その時我が国、ガーライル帝国が戦っていたのは、決して大きくはない国だった。帝国軍の戦いの方針として、戦いによる双方の死者をなるべく減らす、というものがある。しかしこちらがそのために多大な労力を費やしても、相手がそれに付き合ってくれるわけではない。  国王を追い詰めたつもりだったが、少数の軍を率いて逃げられてしまった。国王は地方都市に陣取って抗戦したが、再び追い詰められると、今度はその地方都市を犠牲にして逃げようとした。その後、国王らはすぐに捕らえられたが、地方都市の多くが破壊されてしまった。国を守るはずの国王軍によって。  中隊長を務めていた私は隊員を引き連れて、破壊された街に生存者がいないか捜索した。見つけた生存者を保護していくなかで、母親の遺体に守られるように生存していた幼子を見つけた。  隊員が母親の遺体から離れさせようとしても、その子はなかなか離れようとしてくれなかった。しかし私が行くと、何故かその子は私に甘えるように抱きついてきた。子供どころか結婚もしていない私は戸惑うばかりだったが、「中隊長に懐いてますね」とか、「中隊長の隠し子ですか?」などと言われるうちに、不思議と可愛く思えてきた。  その後、様々な調査をした結果、父親は既に亡くなっていることが分かった。何とか親類を見つけ、子供を連れて会いに行くととても驚かれた。どうやら私は子供の亡くなった父親によく似ているようだった。もちろん、ジルファラル家とは何の関係もないはずなのだが、生き返ったのかと思った、とまで言われてしまった。既にすっかり懐かれてしまったこともあり、私はその子供を引き取ることにした。  子供のためになるべく帝都から離れずに済むよう転属させてもらい、実家やオルトーにも協力してもらってなんとか子供を育てていくことができた…… 「じゃあ……親父は、俺のためにそんなに……苦労することになったのか?」 「苦労? いやいや。お前がいてくれるおかげで私の人生は充実しているんだ。女性と付き合うつもりはなかったし、男とも家庭を持つつもりもなく、養子を貰ってでも子供を持とうなんて思ってもいなかった私が、子供の可愛さに気付くことが出来たのはお前のおかげだ。あの時お前が私に懐いてくれなかったら、恐らく私はずっと戦場にばかりいて、人との触れ合いと言えば性欲のために行きずりの相手と身体を重ねる程度の人生だっただろうな」  ファンゴーの存在が、私をまともな人間にしてくれた。出会えていなければ、私は潤いのない寂しい人生を送っていただろう。そう確信している。 「これからもずっと、私の息子でいてくれるか? ああ、もちろんお前が誰かと結婚して家を出て行くのは構わない。離れていても、私のことを父親だと思っていてくれれば、それでいい」 「うん、親父……あ、でも……あ、いや、何でもないっ」  ファンゴーは最初、素直に笑顔を浮かべて頷いてくれたが、途中で何を考えたのか、言いかけてやめる。そんなことをされると気になってしまうぞ。 「ファンゴー。今は隠し事はなしにしよう。今、何を考えた?」 「え、あー、その……もし親父と、親子じゃなくなったら……えーと、その……親父と、結婚できるかなー、なーんて」  そんなことを、顔を真っ赤にして言いにくそうに口にした。結婚? 私と? 親子なのに? いや、まさか、そんな…… 「まさかお前……私のことを、そういう目で見ていたのか?」 「うひいっ、ごめんなさいっ! 俺……親父のこと、父親としてだけじゃなくて、恋愛の対象としても好きなんじゃないかって……一度そう思ったら、もうそうとしか思えなくなって……やらしい目で見るようになっちゃって……」 「そうか……驚いたな。まさか、お互い同じようなことを思っていたとは。私も最近、お前のことを男として意識するようになってしまってな。困っているのだっ」  どうやらいつからか、同じようにお互いに欲情するようになってしまったようだ。ファンゴーも無意識では血縁が無いことを分かっていたのかも知れないな。 「え、そうなの? じゃあ……」 「しかし、お前との親子関係は壊したくないっ。やはりオルトーの案を採用するべきか」  親子でもセックスが必要になる理由を作ればいいのだっ。性教育や魔術儀式など、セックスをする名目はいくつかある。 「オルトーおじさんの?」 「うむっ。と言うわけで、唐突だがファンゴー。お前は……セックスの経験はどの程度ある?」 「え? えーと……その、俺、実はそんなに経験なくて。しゃぶったりしゃぶられたり、相手のケツを掘ったりしたことが少しあるけど、掘られる方は片手で数えられるほどしか……」 「そうか……大抵は教練学校に入った頃に先輩に誘われたりしてある程度経験するものなんだがな。お前の外見が不人気だという可能性はないし……」 「多分……俺、高等学校出てからだったから教練学校に入るのが遅かったし、身体がデカかったから先輩とかも手を出しにくかったんじゃないかなって」  む、確かに。それはあるかも知れないな。私の可愛い息子が需要がないというのはあり得ないから、そういった手の出しにくい理由があったのだろう。それなら納得だ。よし。 「うむ、そうか。では、私が色々、そちらのことを直接、身体で教えてやろうっ。今日はまず、尻で一物を受け入れる訓練だっ! それには本物の一物を使った方がいいからなっ。私の一物を使おうっ!」 「は、はいっ。お願いしますっ!」  お互い裏返った変な声になってしまったが、親子でセックスをする理由は作った。食卓を片付けたら愛する息子とセックスだっ!  シャワーを浴びてから、ベッドの上で息子と向かい合う。裸すら見慣れているはずなのに、バスタオルを巻いただけの姿がとても色っぽく感じる。  一応尻を使う訓練という名目である以上、自分で準備ができるようにちゃんと教えてやらなければ。まずは尻の中を綺麗にする魔術などを教えてやり、自分でやらせてみる。うむ、魔術の腕は問題ないな。  全て自分で準備して尻に受け入れるところまでを練習させようかと思ったが、まだ経験が少ないようだから尻を使い慣れるまでしばらくは私が尻をほぐしてやろう。その前に…… 「愛しているぞっ。ファンゴー」 「ああ、親父……俺も……んんんっ」  ファンゴーの大きな身体を抱き締め、キスをする。少し開いた口の中に舌をねじ込むと、ファンゴーは目を閉じてそれを受け入れた。しばらく舌を絡め合ってから離れると、ファンゴーはせがむような目で見つめてきた。もう一度軽く口付けてやってから身体を離す。  ファンゴーに指示を出し、脚を抱えた姿勢にさせる。少し恥ずかしがりながらも指示に従うファンゴーの尻たぶを掴み、その谷間に顔を埋める。そして、そこを舌で舐める。 「うああっ……親父、そんなところっ……」 「んむっ。汚くは、ないぞっ。そのために、先程の、魔術で……綺麗にしたのだからなっ」  少しずつほぐれていく穴に舌をねじ込み、更にほぐしていく。尻を使った経験はあっても、ここまでされることはなかったのかも知れない。ならば精一杯体験させてやろう。  しばらくの間舌だけで責めながら時折ファンゴーの表情をうかがったりしていると、ファンゴーの勃起した一物から先走りの滴が漏れてきているのが見えた。そこに手を伸ばして指で弄ってやると、身体を大きく震わせた。その反応が可愛くて、一物をもっと責めてやることにした。皮を剥いて、先走りの滑りを借りて亀頭を弄ってやる。 「ああっ、そこはっ、駄目だっ、ああ、親父っ……」  オルトーほどではなくても、やはり普段皮に守られているところは弱いようだ。もう少し責め続けてやりたいが、今日は尻を使う訓練なのでこの辺りでやめておく。改めて尻を責めていく。 「尻を使うときは、ちゃんとこういうものを使うんだぞ。無理をするとすぐに切れるからな。自衛のためにも用意しておくといいぞ。軍や教練学校の売店にも売っているからな」  ローションのチューブを見せてから、その中身を手に垂らす。そして指を尻穴に挿れていくと、舌でじっくり責めたおかげで、既に指ぐらいは簡単に入るまでになっていた。まずは異物を挿れられることに慣れさせるため、中からゆっくりと刺激していく。  異物感のせいか、最初は耐えるように目をぎゅっと閉じていたが、少しずつ表情が柔らかくなっていく。中を探っていき、少しは反応の良いところを探り当てる。そこを重点的に刺激しつつ、さらに穴を広げていく。指を増やすと、最初はきつかったがすぐに抵抗がなくなってくる。  充分に広がってきたところで指を抜き、今度は私の一物を……と思ったところで、ファンゴーが姿勢を変えて私の一物にしゃぶりついてきた。あまり上手ではないが舌を使って丁寧に責めてくる。愛するファンゴーがそれをしてくれているという事実が私を興奮させ、その気持ちのこもった責めに嬉しくなる。  このまま続けさせたい気持ちもあったが、適当なところで止めておかないと射精するまで続けたくなってしまいそうだった。仕方なく途中で止めさせて、物足りなさそうな顔をするファンゴーにまたキスをする。 「では、そろそろ挿れるぞ。いいか?」 「うん、親父のチンポ、挿れて欲しい……」 「よしっ」  ファンゴーの尻の下にクッションを押し込んで少し高さを調整してから、ローションをまぶした自分の一物を掴んでファンゴーの尻穴に挿入していく。少し抵抗のある尻穴をゆっくりこじ開けて、奥まで押し入っていくと、ファンゴーがきつそうに顔を歪める。何とか奥まで入ったところで動きを止め、ファンゴーの手を掴んで私の一物を受け入れている尻穴に触れさせる。 「どうだ。ちゃんと入っているか?」 「うん、親父のチンポ、俺のケツに入ってる……」 「少しきついか? 一度抜くぞ」 「ああっ……」  奥まで入っていたチンポを引き抜き、ローションを足してから再びゆっくり挿入していく。今度は先程よりも抵抗が少なく感じる。根本まで押し込んでから、ゆっくりと動かす。 「うあ、あああ……」  少しずつだが、身体が一物を受け入れることに慣れてきているようだ。一物をゆっくり抜き差しし、奥をえぐり、中を掻き回す。少しずつ動きを激しくしていっても、ファンゴーの顔が苦痛に歪むことはなかった。 「どうだっ。少しは、感じることができそうか?」 「うん、少し、気持ちいい、かも……」 「よしっ。ゆっくりだ。ゆっくり慣れていけばいいからな。今日だけじゃない。これから何度でも……訓練、するぞっ!」 「ああ、親父……」 「だが今は私が我慢できそうにないっ。一緒に達してくれっ!」  一物を尻に突き込みながら、手にローションを付けてファンゴーの一物を扱く。尻だけではまだそこまでの快感が得られなくても、一物と同時に責めるとそれなりに快感が得られるのは経験的に分かっている。 「あああっ、それ、気持ちいいっ……ああ、出る、出ちゃうよ、親父っ!」 「ああ、出せっ。私も出すぞ」  一物を責め始めると、ファンゴーはあっという間に絶頂に達してしまった。目の前で精液を高く噴き上げ、辺りに撒き散らす。それを見ながら、私も一物を激しく抜き差しし、後を追うようにすぐに達した。いつまでも続くかのような射精だった。この歳になって、今までで一番の大量射精だったか知れない。  全て出し切ってから、またファンゴーに軽いキスをする。その後はファンゴーに覆い被さったまま、しばらくそのままでいた。呼吸と鼓動が少し落ち着いてから、訓練という名目だったことを思い出す。 「よし、ファンゴー。今日の訓練はここまでだ。今後はもう少し尻だけで感じられるように、そして自分一人で準備して相手の一物を受け入れられるように、教えてやるからな。お前が望むなら……相手の尻を掘って感じさせる訓練もしよう。その時はもちろん、私の尻を使っていいんだぞ」 「うん、親父……」  ファンゴーが私にしがみついてきたので、それを抱き締め返してやる。 「親父……俺、親父のこと、大好きだ……その、愛してる、から……」 「私もお前のことを愛しているぞ」 「俺、親父の息子になれて良かった……これからもずっと、親父の息子でいたい……」 「そうか。そう言ってくれて嬉しいぞっ」  どうやらボス兄とファンゴー君はこれからも親子としてやっていけそうだ。僕がうっかり教えちゃった関係が壊れたらどうしようかと思ってたから良かった。  そのうち僕も混ざって三人でセックスしたいなあ。複数プレイの訓練とかどうかな。  あ、ファンゴー君。寝てるボス兄とこっそりがっつりセックスしちゃうやり方なら教えるよー。え、違う?  ああ、このグラタン、ファンゴー君が作ったの? うん、良くできてると思うよ。そうだ。今度はボス兄の好物教えるから作ってあげるといいよー。  え? うん。僕も好きだよ。これからも三人で一緒にね。